2012年8月7日(八段語録1767)

社会学的思考


例えば、哲学的思考という言葉があります。これは論文を書く際に、理屈や論理的な思考で書くという意味です。社会学も論文などで主張する際、社会現象を分析して行ってくのだと思います。社会学者の主張が、社会的な事実を解釈する事で行われるということを「社会学的思考」ととうことになります。社会現象を客観的に理解し、何が意味されているかを解釈する事なのです。ある意味で、根拠の無い主観的な判断を、原点にしたのでは、「社会学的思考」とは言えません。あくまで自分で調査するか、調査した結果を文献で調べるかして、客観的な事実に基づく必要があります。自分勝手に判断せず、これも過去の研究を参考にしながら、当時の方々が、どの様に「社会学」という事を考えていたかを知ることという事になります。
 そのような意味では、第一にこの現代社会で何が起こっているかを、見据えることになります。第二に、これまでどのようなことが研究されたかを知り、問題意識を形成し、感性を研ぎ澄ますことが必要になります。第三に、今ここで常識と思われることが、異なる時代、異なる場所、異なる立場に於いて常識として通用するかを考えることになります。第四に興味深い現象を発見し、第五に、その現象の因果関係を検証することです。当然、第六として歴史的検証も必要になってくるのです。ある意味で、第七に、視野を広げることは、空間的あるいは社会的立場を相対化させる作業をするということになります。このような作業を最終的には、総合的に把握するということになります。
 このような、観点で広く総合的に検証する事は、社会学という範囲がどのようなものなのかが、理解されなくなるのも事実のような気がします。オムニバスの学問が、どこまで影響を及ぼすかというならば、他に分野に、それぞれ吸収されてしまう可能性もあると思われるのです。現代の学問が、細分化されていく中、難しい帰路に「社会学」が立たされていると言っても過言ではないような気がします。それでも、課題にもあるように社会学的思考しての原則的な八つの思考として捉えたのでした。