2012年7月30日(八段語録1759)

オリンピック


 お家芸と言われている柔道に見入っているのですが、優勝しないのです。選手が思い切って戦っているのですが、途中で疲れていて技が出ないのです。日本の選手は、外国の選手のようにレスリングスタイルではないので、綺麗な技が出るはずだと思うのですが、出ないのです。最後は判定、あるいは、体力負けで押し切られているようでした。
 オリンピックという舞台で、この試合の一瞬に力が出せてないようでした。おそらく、相当な練習量を重ねてこの舞台に上がっているのでしょうから、何故なのかと疑う私でした。世界選手権やそのほかの国際試合では勝っているのです。それなのにという思いでいっぱいになります。国内での争いが半端ではないので、それで疲れてしまったのか、それとも、選手選考が後手に回って、選手の精神状態がぼろぼろの状態で臨んでいるのか、いろいろ考えさせられます。
 もちろん、海外の選手も頑張っているのでしょうが、日本の伝統はそのようなものではないと思うのです。そう考えると、このオリンピックという舞台に立って、選考会までの過去がすでに刻まれた時の末端に突き刺さって、選手を弱らせてしまったのではないかと思えて仕方がありませんでした。また、優勝するのがお家芸として当たり前という意識から、一瞬にオリンピックの舞台ではなく、過去の栄光の重みと、勝たなければならないという近未来の実績を思うあまり、打ち崩れてしまっているのではないかと、考えてしまいました。
 あまりにも選手にかかる重荷が重すぎて、一つの試合という事ではなくなっていたのかもしれないのです。今までの重荷と、優勝しなければならないという近未来が、選手達をむしばんで行ったのではないかという感想になってしまいます。
 日本選手が決勝戦にも出られずに敗北していく姿には、何か胸苦しい思いになります。次のオリンピックには、このようなことのない状態を作って、成長してもらいたいものだと思うのでした。女子の松本選手が優勝した事だけが、何か心に安堵感を感じるのは私だけでしょうか。