2012年6月22日(八段語録1721)

ちょっとした衝撃


 二十人余りで、専門学校の夜間での授業が三か月を過ぎてしまいました。私の場合、柔道整復師の国家資格を取ろうという強い動機のないままに過ごしているのです。年齢が六十歳を迎えようとしているので、脳の活性化というのが本音なのです。もちろん、学ぶ動機となったことは、「息子を卒業させたい」という親ばかという事が動機であったのでした。
 ここで学ぶ人の中で、女性が四人いるのです。接骨院に十数年務めていて、今後の将来の事考えて、今まで貯蓄した全てを費やして入学してきた女性、父親が治療院を開業していて、その後継者として取り組もうとしている女性が二人、人生の転換を求めて、必死に頑張ろうとしている女性が一人という状況なのです。
 ここに通う女性たちの本音は、国家資格を取って、しっかりとした生活基盤をつくっていきたいという強い動機なのです。その本心を知れば知るほど頭が下がります。その女性たちの行動を見つめると、表情も言動も真剣なのです。そのような環境ですから、気持ちを正されてしまいます。このような環境に身を置かされたという事に不思議な感動も受けます。そして、私と同じ動機で入学している人は誰もいないという事に気づかされてしまいます。
 私のできることは、これらの真剣に勉強していこうとする仲間の邪魔をしないことが第一のようです。そして、同じ仲間ですから、皆に親切にしてあげるという事が私の役割であると思うのです。当然、必死になって勉強している人達ですから、そのように頑張っている人たちに受け入れられるように心を入れ替えなければならないという事が前提になるようです。
 この教室で、私が受け入れられる秘訣は、一生懸命に頑張る人達と、一緒になって喜ぶことなのだと思うのです。そして、まだまだあの程度の親切では足らないというような気持ちで尽くすことなのかもしれないのです。そのような事を思いながら、難しい、専門的な解剖学や生理学を学んでいるのです。このような衝撃が私の人生にあることに、感動も受けるのでした。