2017年11月8日(八段語録3138)
指導者の道
指導者という道を歩み続けてみて、感じることがあります。
当時、師範という指導者として出発した、わずかな人数でした。
何もなかったのですが、夢と理想だけが心の支えということでした。
当時は、手塚会長を支える拠点が、時間貸しして頂いた仙台駅東口の榴岡軽体育館でした。
その当時から、手塚会長とは頻繁に連絡を取り合う関係でした。
また、良く仙台に来てくださいました。
携帯電話の料金は、今の時代と違って高かったので、経費は掛かる一方でした。
それでも、夢を追い続けていくという話に花が咲くのです。
そのような会長との会話の中で、数多くの道場生が門を叩くようになったのです。
何もない時期からの出発だけに、私について来た現在の菅野師範はもとより、一緒について来た道場生は、不安の中での旅立ちということでした。
実際に、共に歩んでいくことが正しいのだろうかという疑念を生じたことでしょう。
人数は少ないながら、総本部並みの厳しい稽古が続くのです。
私自身も、先頭に立って指揮をするのですから、激しいものがありました。
不思議に、その当時から世界に羽ばたく極真会館を目指していたのです。
道場生には、世界の道場生が押し寄せてくるという事を宣伝していました。
何もない時から、全日本のオープントーナメントを開催しました。
この仙台で世界大会も二度にわたって開いたのでした。
振り返れば、創立同時から、夢を追い続けているばかりの道場であったのです。
それだけに借金は、限りなく増え続けていくという状況でした。
経済は度外視ということでの対応だったのです。
それが、美徳のようにも思ったものです。
借金する術としては、国民金融公庫の教育資金を活用しました。
それから、バイトでお金を稼ぐという原始的な事も手がけました。
誰にも迷惑をかけないという決意が滲み出ていたのです。
人からお金を借りるという事は、なるべく避けました。
それだけに、カードローンは満額まで使い込んでいったのです。
それでも、会長に対する審査料と道着代は最優先したのです。
それが、創立から七年程過ぎてから、余りの金銭感覚の無さに、菅野師範が経理を見るようになったのです。
お金が入る方よりも出る方が大きいのですから、自分の首をしめることになるという事です。
このような経営から脱却する術は、しっかりとした番頭役のNo.2が立つという事でした。
そして、全面的に信頼を寄せて、全てを委ねたのです。
そうする中で、経営は改善されて来たのです。
餅屋は餅屋に任せて、打ち合わせしながら前進するという戦略が的中ということにもなったのです。
ところで、そのようなしっかりとした運営母体が確立する中での、道場の運営になったのです。
前に進めるという全身全霊の戦いは、信頼関係の中で実るようになったのです。
他の空手道場からは、道場生が何故増えていくかという問い合わせも多くなって来ました。
それは、私とスタッフとの信頼関係の中で活動が活発になるということだったのです。
もう一つの戦略として、スタッフとの信頼関係の中で、私が最前線に立って、指導することもできたのです。
さらに、殿様運営とはならずに、パンフレットを毎日一件ずつ配っていったのです。
このような最前線主義は、今まで身についていることですから、何の違和感もないのです。
毎日が、ゼロからの出発という自覚のもとに、全力疾走を重ねていったのです。
それは、手塚グループに責任を持つようになっても、全く変わっていないのです。
過去を振り返って、ここまで来ることができたという感覚はないのです。
絶えず、夢と希望を抱きながら、未来だけを眺めているのです。
そして、築いた基盤は、番頭格である菅野師範に全て委ねているといことです。
その理由は、町工場の中小企業の一人親方にはならないという信念なのです。
スタッフ一人一人が、責任を持って自分の分野に対して責任を持つという事です。
そのような家族のような暖かい信頼のある道場にしたいという希望でした。
それが、着実に実って来ているように思うのです。
結論として、もう二十年近くも道場がスムーズに運営されているのは、信頼関係からです。
一つの、家族としてまとまっているのです。
道を切り開いた偉人の多くは、家族に恵まれていないということが多いのですが、このグループの場合は違っていると断言したいのです。
多くの名を挙げて人達の中でよく聞く話は、家族も振り返る事なく切り開いたという事です。
私達のグループの場合は、家族と共にあるという発想なのです。
このグループに置き換えるのですが、代表に手塚文子夫人になって頂いているのです。
これは、司令官を助ける母がいるという意味合いがあるのです。
その上で、指揮官と現場の指導者が力を発揮するというものです。
母が、個々の人達に気を配りながら、指揮官が号令をかけるのです。
その中で、現場の指導者達が一致するという事です。
そうなると、とんでもない事が起こって運勢が捲き上るというものです。
そういう意味では、これから何が起こるのか、ワクワクするようになるのです。
夢と理想が、実り出すということにもなります。
これから、新しい歴史を作ろうという気構えにもなって来ます。
良識あるスタッフと手を取り合いながら、大きな目標にチャレンジです。
そのような三年間にしたいという気持ちが強いのです。