2017年10月12日(八段語録3124)
極真空手を何故習うのか(3)「環境的側面」


 手塚グループの四十数年の歴史を振り返るのです。
会長が、継続して意識してきたことは、指導者の育成なのです。
多くの指導者を立ててきましたが、結局弟子として、一緒に志を果たせなかったのです。
道場生の中には、世界チャンピオンになって、指導者にもなっているのです。
また全日本のオープントーナメントで活躍して、道場の運営もしているのです。
その弟子達の多くは、結果的に大山総裁がこの世を去ってからは、手塚会長を支えようとはしなかったのです。
そのような意味で、会長は大会に参戦して優勝するだけの人材を求めていなかったのです。
ただ、夢を追い続ける指導者としての同士を求めていたのです。
それは、一環とした姿勢であったのです。
選手として大会で優勝するだけの選手だけではなく、あくまでも人材を育成する教育者を求めていたのです。
道場生は、極真空手の目的とするところに向かって、指導者の教育を受け、成長するのです。
その観点を理解することなく、袂を分けたことになったのです。
私自身、その反省をしっかりして、道場生を教育できる指導者を目指そうとするのです。
世界中の各国の指導者が、一丸となって拠点を置き、指導力を向上させてきたのです。
あらゆる環境で、レベルを引き上げて、プログラムをしっかり確立して教育を続けてきたのです。
つまり、一致団結して多くの道場生を教育するという事に着手したのでした。
 さて、道場生は、入門する一人ひとり動機は道場に通うにしても違うのです。
その動機が、違う事に対しても素早くキャッチし、教育者は、適切に武道教育に当たるのです。
私の時代は、教育を受けたというよりは、メチャクチャ稽古をしただけだったのです。
今の時代は、動機の違う道場生に対して、的確に技術と心の姿勢を教育するのです。
指導者全員が一致して、道場生の育成に励むという事です。
指導者がどのような道場生に対しても刺激を与えるのです。
それは、道場での稽古でも、稽古の前後でも声を掛け合いながら指導するのです。
そうすれば、心情的に近くなるというものです。
道場という環境は、自己錬磨の場所であり、自分自身を深く見つめるという場なのです。
道場生は、限界があるので、指導を受けるという立場に立つのです。
というのも、一人ではどの方向に向かって行ってよいのかも分からなくなるからです。
その環境を築こうとするのが、私の役割という事になるのです。
ところで、会長と共に、世界中を回り、このグループの環境を築いてきました。
世界中のグループの環境は、家族的であり、親密な関係をめざしたのです。
そして、どの国に出かけても、家族を主張することによって温かく迎え入れてくれたのです。
そればかりではなく、私からの指導も真摯に受け止めてくれたのです。
今では、ヨーロッパの組織、ロシアの組織、北米の組織、またアフリカや南米の組織、アジアの組織も立ち上がってきているのです。
それも、優秀な世界事務局長の伊藤師範が、世界の指導者に目を配っているのです。
伊藤師範が、アメリカ生活が長いのです。
実に三十年以上に及ぶのです。
実際に、世界各国で指導をするのですが、温かく迎え入れてくれるのです。
それも、家族として親密な関係なのです。
それは、実にお互いに成長させてくれる刺激の何ものでもないのです。
今年も世界を一周してみて、この上ない喜びを感じるのです。
会長が逝去されてからは、会長夫人と共にヨーロッパに出向いたのです。
会長が世界を巡回されたときと同じように家族として歓迎してくれたのです。
このような愛情あふれる環境を会長と共に築いてきたのです。
これが、未来に続く極真空手の方向であると確信しているのです。
 結論として、家族という素晴らしい環境が、このグループにはあるのです。
それを、生涯をかけて手塚会長は築いてきたという事なのです。
それは、ただ技術を指導するだけの道場とは訳が違うのです。
道場生は、間違いなく、家族のような関係を重要視するこのグループで成長するのです。
この環境であるがゆえに、お互いに刺激を受け合いながら、喜んで稽古をするのです。
確かに、厳しい稽古ゆえに、自ら襟を正さなければならないことは多々あります。
それでも、最後まで残った人は、必ずや目指す目標に近づくはずです。
そうでなければ、指導者が希望をもって、教育することはできないのです。
結果的に、この環境で指導される道場生は、多くの人の希望の星になるのです。
そのような、生き生きとした道場生を成長させようとするのです。
それが、手塚グループという環境なのです。
このグループに対して、指導者として誇りを持っているのです。
もちろん、しっかり運営をしなければならないことは当然です。
しかし、道場生一人一人に寄り添って、将来を切り開けるエネルギーを与えたいのです。
それ故に、家族という環境を広げて、心に寄り添っていきたいと思うのです。
それが、私自身の道場生に対する愛情のある環境づくりであると思うのです。