2017年5月12日(八段語録3068)
極真手塚グループの理念(7)

第四章 指導者の教育的立場
第一節 教育者としての立場
 指導者は、選手の延長というよりは、もうすでに、教育者なのです。
道場運営における、主要な役割になるのです。
そのために、指導者の教育に対する姿勢が、重要になってきます。
入門者は、いつも入ってきます。
その道場生に対して、的確な指導をするのです。
基本的には、道場はどんな人でも、受け入れます。
来る者は拒まずです。
そして、去る者は追わずという発想です。
新しい入門者で、空手に対して、意欲を持っていこうとする道場生に対しては、何ら対応する必要はないのです。
しかしながら、問題は、事情を抱えた道場生、また、本人に空手の意欲がない道場生に対してという事です。
そこで、指導者としての心構えですが、どんな道場生でも、道場で立派になるという確信を持って、教育していくという意欲を、持つ事であると思います。
指導者として、労力は惜しまずという事です。
その問題ある道場生を正しく導くという事が、指導者自らの成長につながります。
問題行動がある道場生が、結果的に道場を、背負ってくれるという事もあるのです。
焦らず、飽きず、諦めずという事を徹底しましょう。
第二節 初級トレーニング
 白帯からオレンジ帯一本線の九級までです。
空手道に触れて、新鮮な時期です。
審査、合宿が初めて参加という事になります。
① 基本的空手道を理解する期間です。
この時期は、指導者が素晴らしく輝いて見えるのです。
良き指導者としての、振る舞いをいたしましょう。
② 礼儀・挨拶そして、道場の伝統を学ぶ時です。
基本・移動はもちろんの事、型の基本である大極1・3を徹底します。
明るく・元気で・正しい道場生に育てましょう。
第三節 中級トレーニング
 青帯から黄色帯一本線になります。八級から五級になります。
この段階まで、小学六年生までには育てていきたいものです。
① 指導者は、道場生のモデルになりますから、道場生のためにも、成長しましょう。
ただ道場に通っているだけでは、成長が無い事を自覚してもらい、創意工夫を指導するのです。
小学生の時だけに、指導者が模範となるのです。
この時期になると、基本・移動もしっかりしてきます。
また、大会に参加するように成り、自信を抱ける時期です。
② 空手の技術に関して、指導者が指導するように、理論で説明するように仕向けます。
指導者の真似ができるようにするのです。
主体性が生まれる時期ですから、礼儀作法の徹底、家族に対する礼節の実践、そして、御両親に報告・連絡・相談ができる器を身につけさせます。
大会にも参加しますから、自分に打ち勝つ喜びも感じて貰います。
そして、家族の為に生きるという喜びも味わうという事です。
③ この時期になると、同じ学年または、同じレベルの道場生と仲良くなります。
それだけに、他人を思いやる心を磨きましょう。
後輩ができるという事もあります。
しっかり、基本的な指導ができるように心がけてもらいます。
当然、あらゆる判断ができますから、自然の素晴らしさも感じれるようにしましょう。
第四節 上級トレーニング
 緑帯から茶帯一本線で四級から一級になります。
指導者になる準備をさせましょう。
この時期は、できるだけ指導者の補佐に着けて、指導者が親身になって、指導力を身につけさせます。
大会でも優秀な成績を上げることもできます。
① 精神統一を自ら出来るようにします。目指すは指導者ですから、偽らない自分を形成します。
指導者を目指すようにすると、誤魔化しは出来ないのです。
自分に正直に生きるという事を徹底させます。
② 空手の技術も高めます。
一人で、教室の指導ができるようにします。
実戦組手の習得、型はピンヤンを完全にマスターして、ヤンツー サイファ、撃砕小・大まで学びます。
自己との闘いが始まる時です。
厳しい修練を越えるだけの精神力を身につけさせます。
当然、道場に対する帰属意識を徹底します。
③ 多くの人の為になる生き方の選択をします。
家族だけでなく、多くの人達と関係を持ち、役に立つ人間像を目指します。
当然、先輩として確立し、後輩を指導できる人格を身に着けます。
そして、最後に自然を愛せる人格を確立するのです。