2012年4月4日(八段語録1642)

賢治さんとの会話


 結局、一晩賢治さんと別荘で過ごすことにしたのです。相当風邪の症状が悪化していましたから、部屋を暖かくして休んでもらったのです。別荘で休むのですが、風速40メートル以上の風が吹きまくります。隣の家の屋根までも吹き飛ばされてしまいました。屋根が強風で剥がれる音は、凄まじいものがありました。その破片で、我家の瓦も二枚割れてしまいました。お互い様なので、自然の猛威に何とも逆らう訳にはいかないようでした。
 いつもは、早い時間に起きて、チラシ配布に出発するのですが、朝の七時までゆっくり休んでいたのです。その後の会話で、子供好きな賢治さんの人柄に魅了されたのです。子供達の写真を、時あるごとにシャッターを下ろして取るのです。話をすると、子供達に話題は移るのです。本当に子供の事を考える人なのだという事を実感したのです。また、会える機会を楽しみに、十時の高速バスに合わせて、送り届けたのでした。
 その後、セミナーハウスの開設を夢見ながら、どのように多くの人に武道精神を教育したらよいのかとか、社会に家族の大切さを発信する事ができる私塾を作っていくべきではないかという気持ちになるのでした。今までの人生で何か悩み始めた時、頭の中が、田圃を耕している牛の事を思うのです。唯黙々と忍耐しながら、推し進めていく事ができることを、しっかりすべきであると思えるのです。
 もちろん、色々な改革案があります。それが、全て受け入れられるのではないのです。しかし、自分の範囲であるならば、誰に迷惑をかける訳でもないので、方向性が行き詰った時に、最良の解毒剤を使う訳なのです。公的原点から、個人的視点に立つのです。悩んでしまった時には、出来るだけ、公的な意識を捨て去って、ストイックに個人の掲げる理想を求めようとするのです。そうするとあらゆる障害は無くなって、自分の心に正直に生きようとする効果が上がってくるのです。
 私の場合、いつもこの手を使うのです。つまり、目的は絶えず二重目的であると思って、個人と全体の調和を図りながら、個人の主張する方向性に確信を得るような動きになるのです。そうするとプレッシャーが少なくなり、理想が高く保たれるわけです。もう、幸福への道は、唯一つしかないのです。ややこしい事には、首を突っ込むことをしないで、自分の意志の力ではどうにもならない事を、悩んだりしない方向に導くわけなのです。
 そのような、個人的理想を賢治さんに話したりしたのは言うまでもないのです。そして年齢が高い私が、未だ夢を追い求めている事が、大切であるというコメントを残して、旅立っていったのでした。