2012年3月14日(八段語録1621)

受験


 六十の手習いです。おそらく、仙台接骨専門学校で、最年長の受験者という事になると思うのです。広島から帰って、寝付けないのです。とても緊張しているのです。その緊張は、一睡もさせないのです。とにかく、眠れない中でも受験に際しては、誠実さであると思ったのです。一生懸命受験に対して取り組むことを誓ったのでした。この試験に対して、誠実に対応するならば、合格できる可能性があるのではないかと思ったのです。外的には、背広を着て、普段しないネクタイを締めて、靴を磨いて出かけようと思ったのでした。
 自分の能力がどの位まで、落ちているのかは計り知れないのです。一生懸命受験に集中するのです。そうするならば、あらゆるハンデギャップは、朝露のように消えてしまうであろうと思ったのです。しかし、受験は震えが来るものです。緊張感が高まり、心臓の鼓動も聞こえてくるのです。会場に着いてからは、トイレにも数回行くし、喉も乾いてしまっているのです。午前九時には入場し、三十分、受験に思いを馳せていました。その後、受験に対する注意事項が話され、午前十時に、ペーパーが配られ、いよいよ本番という事になりました。
 ところで、この受験は、誰もが無謀というべきなのかもしれないのです。今回の動機は、環境的には、色々な戦略の中に在りますが、自分としては、自分の身体という、六十年間も連れ添った事に対する感謝と、この身体の研究に深く根を下ろそうとしたのです。人生の最終段階の興味や関心は、自分の身体であろうという結論を下したのです。そうする事によって、精神を豊かにしたいし、人生をぐっと楽しくしたいのです。その上で、この自分の勉強が、社会貢献につながるならば、この事によって、極真会館の発展の礎になるし、最高の貢献になると思えるのです。
 この挑戦は、人体の研究という切り口で、極真会館の発展の目的を追求し、武道精神を堅固に保ち、あくまでも自分自身を守り通そうとする内容なのです。そして、三年間という目標が達成できるならば、この心構え一つで、もう一段、次元の高いミッションが出来るのではないかという腹が決まるのです。
 極真会館を最大発展させようとする心を決めているならば、それだけで目的は半分達成されたことと、同然なのですが、その切り口が、指導者の生活基盤の確保と社会貢献という事ですから、きっと成功してみせるという決意をみなぎらせるのです。自分の意思が何より重要であると、常に明記しているのです。