2016年11月7日(八段語録2954)
無題

対象者A
最後の面接になりました。三月、春先からの保護観察対象者でした。その前に、冬に施設にて面会をしたのでした。その時から、しっかり連絡・報告・相談をしてくれたのです。もう半年の歳月があっという間に流れたのです。その期間、元の職場の社長に面倒を見られ、忙しい月では、四十万円の収入を得たのでした。順調に社会にも順応して、十月最後の面接になりました。約束の時間もしっかり守り、注意すべきことは、ほとんどありませんでした。犯罪を素直に認め、反省という事を信条にして、順守事項も守ったのです。中古車でありましたが、外車の希望していた車種を購入していました。独立して家を出るという事に関しては、まだまだ経済力が安定していないという事でした。それで、両親の家から、職場に通って、貯金をしていくという事でした。本当にこの期間は、仕事と家、そして私との面接を大切に過ごしてくれたのです。本人から、犯罪に至ったのですが、とても貴重な体験をしたという事です。二度と同じ失敗を繰り返さないという決意をしてくれたのでした。両親からも、事件を起こす以前よりも、このような立場に立ったという事で、より不憫に思えたという事もあって、以前よりも一層の愛情を注いでもらっているという事を実感しているようでした。私が接した感想ですが、これから有望な青年として成長していくのではないかと思います。本人がどれだけ、相手に迷惑をかけたのか、両親を悩ませたのかという事も、自分で悟ったようです。いつになく、しっかり更生できた青年であると思えたのです。まだまだ若いのです。これから頑張っていくであろうという気持ちがありました。最後に、保護観察期間が、一週間以上残っているので、間違いが無いように念を押して、別れを告げました。
対象者B
 一年半に及ぶ保護観察期間も無事終了になりました。高齢者の対象者でした。初めての経験であり、戸惑う所が多かったのが脳裏に浮かびます。今の高齢化社会の出来事での事件でした。夫婦のどちらかが認知症になって、家庭生活が営めないようになった場合、どのように対処すべきかという事です。この方は、地域で民生員や町内会長などをされていたこともあって、自分の家庭が地域に迷惑をかけてはいけないという気持ちが強かったようです。本来ならば、地域の包括支援センターに相談して、解決の糸口を見つけるという事が望ましかったのです。一人で悩み続けた結果、このような事件を起こしてしまったという事です。
この期間、時には胸を打って痛哭し、大変な過ちをしたという事を悔いておられました。そして、事件以降、全ての過去の過ちを悔い改めるように、日々を送ってきたという事です。高齢でもあるので、償いが終わるまでは、死ぬこともできないという気持ちを訴えていました。、健康管理をしっかりして、この期間を全うするという気持ちが強かったようです。後わずかの保護観察期間という最後の面接を行いました。その前に、監察官が直接、老人ホームを訪れて、面接してくれたという話をしてくれました。この事も感謝していました。そして、最後にもう終了なのですかと問いかけてこられたのです。「最後です」と話しました。息子とのこれからの関係を不安視していて、暴力を振るわれないかと心配していました。大丈夫と話して別れました。