2012年3月3日(八段語録1610)
型の試合
宮城県総合体育館グランディ21にて、90名の選手による型の試合を行う事ができました。昨日大雪が降って、足元が悪かったのですが、それでも多くのご父兄にも参加してもらったのです。感謝に堪えませんでした。今年で型の試合も6回目を数えるようになってきました。スタッフの動きも回を重ねるごとに、熟練度が増し加わって、一糸乱れぬ様子を見ました。審判服も取り揃えて、孫にも衣装というのでしょうか、初々しさが残る審判も何人か入っていました。勝敗に関わる重要なポジションだけに、心配はありましたが、勝負にこだわることも大切ですが、それ以上に型の試合を通じて、どれだけ子供達が成長したかを見て頂く試合であったと思うのです。
午前9時には、スタッフのミーティングがなされて、型での審判講習が行われていました。試合場には、寒いので、暖房も入れて準備万端の状態になっていました。十時に秩序正しく、子供達が集合して、開会式から準備体操までとりおこなわれていました。道場生は、いつもの道場での稽古の緊張感を持って臨んでいました。試合内容は、大極からピンヤン四で競技が行われたのでした。回を重ねるごとに、型のレベルは、着実に上がっています。試合という効果は、道場生にとって準備をしてくるだけに、大きいのです。そして、成長も早いと感じさせられました。
道場生が取り組む真剣な眼差しが、一試合ごとに、脳裡に焼き付いたのでした。このような経験が、子供たちにとって、将来の成長に役立つことは間違いないと確信するのでした。組手の試合もそうなのですが、宮城県本部の指導は、指導員やスタッフ・道場生・ご両親の応援は、前日までという事を徹底しているのです。それ故に、試合場では、静かに観戦する事を旨としているのです。試合場全体の雰囲気も、ヤジ飛ばず、無駄な応援も無く、子供達がしっかりと、今までの修練を発揮できる環境になっているのです。厳粛な雰囲気の元に試合が緊張感溢れるのです。
これは、菅野師範を中心とした、しっかりとした会場運営に基があるのです。指導者の成長に、私としては、目を細めるばかりでした。試合の運営、大会費、運営費をすべて、現場に任せているのです。より公平な管理と、配分がスタッフになされ、明瞭な収支決算になっているのです。これが、当然、公的団体としての運営なのです。スタッフも一日拘束させていただいているで、ボランティアの精神だけでは、今の時代に合わないようになっています。その為の配慮を徹底しているのも、今の大会の方針なのです。金銭面は、決して責任者が握らないようにしているのです。現場が、大会運営を考えて、熟慮した結果の配分になっているのです。どの団体を見ても、腐敗と堕落は、この点に欠けているところから起こりがちなのです。
ところで、今回の型の試合に対しても、成功する事しか念頭にないのです。スタッフを疑う事もなく、自信を持って対応して頂くだけでした。もし、私がスタッフを信頼しないとするならば、スタッフは直ちに消えるしかないのです。それだけ、真剣に信頼する事になるのです。スタッフを信じることは、他のすべての信念の中心部分なのです。スタッフに自信がなくなれば、人の采配の動きが取れなくなるのです。
もちろん、誰でも失敗はあります。神経も高ぶる時もあるのです。試合を取り仕切ってみて、反省点が無いというのはおかしいくらいです。それでも、現場の意見を聞いて、次の戦いをするのは、現場なのです。その反省の土台の上で、次の大会がいざ始まるという時になると、すらすらと進行するのが常なのです。
私が心がけていることは、大会を始めるにあたり、大会を目前にしてスタッフが自信をなくすという事を避けることなのです。誰も彼もが失敗を恐れて、責任を負う事を避けていく組織であるとしたならば、何事も決して成し遂げることが出来なくなってしまうし、発展もないのです。いったん責任者に立てた人間の能力を信じられないとするならば、あらゆる組織活動は、鈍ってしまいます。必ず他人の賞賛や叱責はつきものです。私は、理想的目的を立てて、無理難題も乗り越えていく気概をお互いが持つべきであると思うのです。
本来、これから成長していくべき後継者が不完全なのに、完成ばかり願うのは危険であると思うのです。最上の方法は、迷わずに信頼する事なのだと思うのです。大会運営の結果がどうの、審判のジャッジがどうの、会場係がどうの、そんなことは、全て菅野師範に任せればいい事なのです。本当に最善を尽くしているのであるから、失敗を気にかけないで思い切り進めてほしいと、祈るばかりなのです。