2016年9月12日(八段語録2899)
愛情(13)

 宮城県さわらび学園に施設見学に行ってきました。これは、宮城の保護司会主催で、保護司二十数人での参加でした。この施設は、児童自立支援施設なのです。私が取り扱っている、少年院、鑑別所とは違って、強制的に収容する施設ではないのです。このような施設見学に行ったことは、初めてでした。保護司会で、見学に行く機会がなければ、一生いく事がない施設です。そのよう意味では、これから増えることであろう親の育児放棄や、その他の社会的弱者の、児童を守るうえで、重要になっているという事です。このような施設が全国にあるという事を聞いて、安心したのです。小中高と子供達が通っているのです。授業の様子も見学させて頂きました。もちろん、二十歳まで在籍する事ができるという事ですから、子供達を守るという事に関しては、十分な施設であろうと思うのでした。それでも、家族の愛情に飢えている訳ですから、いくら養育係がいようとも、心の穴を埋めることが、出来ないのだろうと思うのです。子供達の心の源泉になるようにと願うばかりでした。
 園長の講話が一時間程ありました。施設の様子を事細かく説明してくれました。出発の原点が、北海道の家庭学園ということで、キリスト教精神でもって、子供達の保護育成をしているというのです。その学園から多くのノウハウを伺って、全国で実施しているという事です。この施設に携わる指導者は、普通でない児童を扱う訳ですから、それなりの人格が願われるわけです。身体の活動は少なくても、心の配慮は無限にあるという事です。本当に愛情がなければ、対応できない施設であると思うのです。この宮城県の施設は、残念ながら、両親の味わいを、出すことが出来る、夫婦での勤務という事ではないという事でした。教育や生活規律は学ぶ事ができても、親の気持ちが分かるように、配慮する事が難しい施設になっていることに関しては、考慮の余地があるように思うのです。
 保護司を十数年させて頂いているのですが、私の本業は道場運営なのです。極真会館宮城県本部の代表師範として、現役歩んでいます。現場で感じることは、シングルマザーが最近は多いのです。家庭が何らかの形で、崩れてしまっているという事です。この傾向は、ますます、多く観られてきているのです。必要性は、統計とは別に、これから多くなるのではないかと、思っています。そして、この施設は、隔離されてはいけないという事でしょう。その為には、県職員として、男性だけとか、女性だけというジャンルの職種にせずに、夫婦としての職員が、望まれるのではないかと思うのです。親から距離を置いた子供達ですから、親が必要である事と、共に生活する事が願われるという発想になります。親を慕い、親に向かって生活するような環境は必要であると思いました。疑似的でも親と共に生きることのできる日々を子供達は、願っているのではないでしょうか。そのように夫婦で対応するようになれば、ちょっと町から離れている施設ですが、町内との交流もスムーズになるのではないかと考えてしまうのです。
 意見とはいかないまでも、設備の充実を見学で知る事ができました。それからの方向性は、愛情が具体的に子供達に届くことが出来る、実体の親が必要であるという気持ちになりました。ただ当たり前の意見ですが、見学を通じて感じた事です。