2016年7月26日(八段語録2851)
ヨーロッパ遠征(2)

 早速、ヨーロッパのサマーキャンプに合流しました。アムステルダム空港から、ベルギーまで運転して下さった先生は、パトリック先生で、三十代後半の、油の乗っている人物でしす。それも、極真会館手塚グループという団体を大切に思って下さる人です。そしてこの人は、その貴い理念と実際に触れ、数年前から合流しているのです。それに答えるように、会長も、思うように動かすことが出来ない、肉体を、酷使しているのです。一つの生命としてこの地上に誕生したからには、しっかり役目を果たしたいという、気持ちなのでしょう。いずれは誰もが、間違いなく逝かなければならない、人間共通の運命なのです。人としてうまれ、極真会館手塚グループの、最高の形を探し求めているのです。会長は、悟りを開いていく訳ですから、納得のいく戦いぶりという事です。途中、マクドナルドのドライブインに立ち寄って、夕食を済ませて、もう午前様を過ぎて、合宿所に到着という事でした。
 翌朝、基本・型のトレーニングに参加しました。アラン師範の教本である、シラバス通りに、しっかり二時間かけての稽古です。会長と一緒にじっくり、観察させて頂きました。この稽古は、私が総本部で汗を流した時の稽古よりも、スマートさを感じます。それでも、アラン師範が、指導した内容を反復するように、丁寧に実践していました。実にアラン師範が残した大切な宝物のような稽古でした。ヨーロッパで、アラン師範が指導してきたわけですので、私が総本部で受けた内容とは遊離します。しかし、このヨーロッパを纏めてきた内容ですから、誰もが慕っている訳です。そこに、当然試練の過程があり、涙と苦労を経てきたという事は言うまでもない事です。そうして築き上げてきたシラバスですので、会長も公認しているという事です。
 昼の組手の稽古時間の時は、会長と私は時差ボケがあって、体調がすぐれない事もあって、欠席させてもらいました。夜八時からの稽古に参加しました。ポーランドのゲネック師範は、ヨーロッパ大会を意識して、型の審判の在り方の、講座に振り向けていました。問題が当然満載しているのですが、故人のアラン師範の指導書であるシラバスの如く、丁寧に指導しているという、印象を受けたのでした。そのような意味では、アラン師範がヨーロッパの開拓者という事であり、ヨーロッパメンバーは、それをしっかり踏襲するという立場に立ったという事です。武士道的に表現するならば、アラン師範の前に、孝行の道理を果たして、輝かしいヨーロッパの歴史を築いていくという事になると思うのです。そのような意味では、孝行の名前が刻まれる、ヨーロッパ各国となるのです。しっかり、ヨーロッパメンバーに草木となって、根付いてきているという事です。
 特に、アラン師範に対しての気持ちは、誰もが心の奥底に深く沈めているのです。それは天と地を与えられても、取り換えられないもののようでした。ヨーロッパメンバーが最後まで、アラン師範の内容を継承して、価値ある者になろうという心を持っているという事です。
それが至極貴く、価値あるもののように感じたのでした。アラン師範の血の滲むような活動内容が報われた思いは、会長と私の共通の認識でした。そのような意味では、アラン師範を忘れまいとする心を十二分に味わえた稽古内容でした。