2016年6月12日(八段語録2807)
熱望(4)

 私が生を受けて、今まで人生を過ごせたのは、両親が私を引き受けて、愛情を持って育ててくれたからという事です。また、極真会館が私を引き受けてくれなければ、今の私の立場は無いという事です。そして、くしくも手塚会長が、このグループで引き受けてくれたという事です。何もない私を、師範として宮城県本部の責任者に招き入れて、活躍の場を提供してくれたのです。両親にも、極真会館にも、江塚会長にも、どれほど引き受けて頂いた立場から、恩返しができたかというならば、まだまだ不足であるという事以外に言葉が浮かばないのです。親には散々迷惑をかけ、極真会館では、修行のみでお世話になりっぱなし、会長とは、夢を分かち合いながら、迷惑をかけながら、今まで歩んできました。どこに対しても、貢献度はまだまだ少ないという事です。
 さて、人生お世話になりっぱなしという事で、この心と身体を社会に奉仕するために、使ってもらわなければならないという気持ちが本音であります。貢献しようとするわけですから、憎まれないように、正しく歩もうとするだけなのですが、思うようにはいかないという事です。ここまで生かされて、社会貢献という、大それた善意の目的を掲げてきてはいるのですが、これもまだ不十分という事です。極真空手の素晴らしさを宣伝するのですが、共鳴されるまでになるには、まだ時間がかかりそうです。それもこれも私の至らなさが原因である事は間違いないという事です。もちろん、私達の全ての意識は、この武道精神を主張するところなのですが、主義主張を除いた面で、まだまだ浸透していないという事です。「何でこんなに良い事をしているのに分かってもらえないのか」と嘆くばかりなのですが、極真会館宮城県本部そのものを、引き受けてもらうまでには、時間もかかるという事です。
 ところで、今日は、北峰会の新人戦に参加させてもらいました。オレンジ帯のメンバーを中心に頑張っていました。このような新しいメンバーの活躍の場を提供して下さった、北峰会の操会長には心から感謝申し上げます。もう二十年に及ぶ長いお付き合いをさせて戴いています。少年部に関しては、何も分からなかったのですが、それでも、手取り足取りして下さって、今のような選手を育てることができました。これまで以上に、良き関係を築いていきたいと思うのでした。それにしても、宮城県本部の新人の道場生は、試合で一生懸命頑張っていました。入賞者が沢山出ました。それで、頑張った大会なので、より稽古を重ねて、ますます自己研さんに励んでもらいたいと、素直に思いました。道場生の心と体が、稽古という鍛練を重ねて、成長の一途を昇りつめていく事が出来るようにと思うのです。選手の御両親も息子・娘の活躍に、涙を流していました。これが空手だけでなく、子育てに通していく事が出来るようにと願いを込めたのでした。
 このような道場生を眺めるにつけ、宮城県本部が道場生を受け入れることができるようなキャパシティーを築いていきたいと思うのです。私がこうして、受け止めてくれた存在があったから、今の自分があるように、道場生を温かく受け止めていく事が出来る宮城県本部を確立させていきたいという熱望をするのでした。