2016年6月9日(八段語録2804)
熱望(1)

 いつも、不十分な私であるということが、誰からも、見透かされてしまいます。これで極真の道を示すことができるのであろうかと、我ながら、不安になります。理由は単純です。内容がなく、不足という事です。青春時代の全てを投入してきた内容が、ナンバーワンというレベルで闘ってきたわけではない事は、理解するに十分すぎる内容なのです。私の修行時代は、素晴らしい当時の師範が存在しました。また優秀な先輩達もおりました。長い期間を過ぎて、いつの間にか代表師範として、宮城県本部を背負っている訳ですから、恐れ多い事になる訳です。それでも、宮城県本部の開拓を進めてきて、不十分ではあるのですが、今に至っているのです。多くの道場生が、理想を抱いて、極真の門を叩いてくるのです。道場生が渇望している欲求を、この道場で満たしてあげることが、できるかという事になるのです。集まっている道場生を正しく、価値ある存在にすることが、できるのかという事が、私の役割という事になるのです。
 日々の稽古が、新鮮になっているのかを、絶えず、苦慮します。取るに足らない代表師範を相手にして、指導を受けなければならない、道場生である事を、申し訳なくも思うのです。追随していかなければならない立場の道場生に、同情をしてしまうのです。それでも、信頼されて代表師範の立場に、任命を受けたのですから、私自身の努力が必要不可欠になってきます。道場生の頼りになるように、責任を持って指導することに専念するのみという結論なのです。そのような気持ちで、今日というこの瞬間に全てを投入するのです。今日は、一般部の昇級していく上級者の五回目の型教室がメインの日でした。もちろん、隣では、瀬峰大会やジパング大会が控えているので、組手の稽古を一生懸命しているのです。大友師範が、培った全ての技を伝授していました。また阿部先生の指導のもとに、入念に大会へ向けて仕上げていました。
 ところで、極真空手を学び、信頼を寄せて、私を頼りにして、一生懸命、全力で稽古をしている道場生に、素直に応えていく事が出来るような姿を、示すことができるようにと、心がけるばかりなのです。今まで何百万人と修練を重ねた道場生の中で、取るに足らない私を宮城県に立てて、極真空手を発展させようとする実情を、申し訳なく思うのです。それ故に、行く道を照らしていけるようにと、骨身を惜しまずに投入するばかりです。極真空手に、この身を捧げてきたのですから、誰からも心配されるような行動は慎み、極真空手が要求するレベルまで体得することができるように闘うのみです。このような不十分な指導をするためだけに、青春時代を捧げてきたのかという反省に立って、今まで続いてきた極真の歴史に、一石を投じることができるようにと願うばかりなのです。期待される理想の実体を、目指していく事が出来るように闘うのみなのです。
 確かに環境を整備していく事は大切です。それ以上に、整備された環境で、どの様に道場生を成長させて、未来に連結することのできる指導者を、育成することができるかという事が、課題となるのです。最終的には、私に代わって、極真の伝統を継承できる人生育成に全力を傾けるという事になるのです。そのよう気持ちで、道場生の成長を渇望しながら、一日を終えたことに感謝なのです。大友師範と稽古が終わった後、食事をしながら、もろもろの話に盛り上がった時間を過ごさせてもらいました。