2016年6月2日(八段語録2797)
希望(33)

 まだまだ、極真の代表師範として、不十分な内容に、愕然としてしまうばかりです。私が目標とした存在が、青春時代を駆け抜けて、日々の指針としてきたのです。そして、今に至っているのです。その存在に、今も追いついていけていないという現状に、心苦しく思うのです。それでも、代表師範として、総裁の表象として、現れるように願いながら、日々闘っているのです。あのエネルギッシュな生命力が、稽古をし続けている中で私を魅了してきました。その存在に連結されるように、形からでも入りたいとして厳しい稽古も続けてくることができたのです。あの威厳ある姿になれるようにと日々精進を重ねてきました。この年齢になっても、まだ追いついていない現状を嘆くばかりです。それでも、継続し続けて、この年齢に達してしまったのです。実に人生は短いものです。そして、やるべきことがあまりにも多い事に、忙しさに没頭してしまうのです。
 さて、私が、若き日の何もない原石の時に、出会った縁を持って、理想の実体として、突き進んできました。理想の勝利を望み、あえぎながら、この道を心込めて歩んできたのです。そして、一度も離れることなく、極真の道を続けてきました。全日本に何度も出場するも、そんなに有名選手として活躍したわけでもなく、ただひたすら、しんがりで、捕まってきたという事だけでした。それが、全てであるのです。それでも、極真空手に対する情熱は消えることなく、続けてくることができたのは、この道に魅力を感じた事だからなのです。自分を表す表象は、極真でしかない存在になっているのです。それを誇りにここまできましたし、これからも継続していくという事です。今となっては、この位置が自分にとって宝なのです。誰にも奪われたくないのです。極真と連結されている時が、喜びと感じるのです。もはやアヘン中毒者のようです。それでも、身体を害することが無いので、有難い事です。
 ところで、青春時代に、極真という一点を求めたことは、暗黒のような闇夜をさまようことなく、光に照らされたような感覚だったのです。その一点に、全身全霊を込めて、願いを込めながら一歩一歩、歩み続けてきたという事です。確かに、責任を持って代表師範の立場に立つと、いろいろなものが見えてきます。最初に見える事は、自分の幼さと未熟さという事です。そして、周りを見渡すと、更に大いなる課題が満載されているのです。それに立ち向かうという事は容易ではないのです。そのような意味では、無限に闘う意志が、現れてくるし、闘争本能は燃え盛るばかりなのです。そして、今もその気持ちを汲んでくれる会長の存在は大きいのです。会長の高く深い理想と夢、そして玄妙な道理に、心を惹かれるのです。また、その寛容な心を持って、私を屈服させて、また正しい道に縛ってくれているのです。会長の寛容な心で、私の能力を自覚させられているという事は、決定的なことです。
 もうすでに、この道を出発して、強く雄々しい勇者の姿を備えるために、かなりの月日を要しました。まだまだという気持ちで、今日も一歩踏み出そうとする自分があります。今も変わらず、開拓者としての道を邁進中なのです。これでよいという事は、まだ見えてきていないのです。決して数字を追求するというのではなく、数と質の基盤は、愛情の広がりであると思っているので、精進するばかりなのです。