2016年5月25日(八段語録2789)
希望(25)

 極真会館宮城県本部の、基盤形成という事を、ふり返って見ると、最も大切であったことは、私自身の覚悟と、決意という事なのだと思うのです。それでなければ、今のような信頼と、栄光を表すことができなかったという事です。何もアクションを起こさずに、過ぎてしまった日々であったならば、今の基盤は作られていないのです。思えば、二十数年前に理想をぶち上げて、建議と誓いを表明してきたのでした。かなり無理難題を自分に課して、紆余曲折した道を歩んだものです。何の資格もないものが、一大決意をするのですから、誓って、また誓って歩むという、連続だったように思うのです。日々、困難な山々が残っているという感覚で、登るのに、新しい光明の朝日を見なければ、気が済まないという感覚でした。いつも新しい心、新しい発想になって、先駆者としての責任を果たそうという、覚悟と誓いを立て続けたのでした。結構、あの時であったからこそ、できたというのが本音という事です。
 このような決意と誓いが、多くの道場生を受け入れることのできる、源泉になっていったのでした。確かに、暗闇の勢力が、内部に無かったわけではないのです。しかし、それが問題ではなく、極真精神の権限を持って、愛情を注いて、新しい道場としての、着手をしたのでした。それから、一年、三百六十五日すべてが、息をもつけないような日々という事でした。私の新しい決心と新しい覚悟がなければ、極真会館宮城県本部の基盤など夢にも形成されないという事を意識したのです。日々が荒海を渡る帆船の舵を、取るような日々という事でした。このような歩み方は、暗闇から明け方に向かうようなものに似ていたのです。全面的に否定されることもありました。濡れ衣を着せられるような時もありました。それでも栄光の基盤を作って、輝かせたいという気持ちでいっぱいでした。他の組織の勉強に出かけたのもこの時でした。四千名も集めて運営している団体、のノウハウを学びにスパイをするために出かけました。それが、北山事務局長が支配人をしていた、国見スイミングスクールという事でした。結局、結果的にノウハウを学ぶというよりは、北山事務局長本人をゲットしたことになったのでした。
当然、投入に投入を重ねて、世界万民が入門できる団体としての意識をしたのです。それは意識だけでなく、本気でそう思ったのでした。それだけに、一日一日を守り保護してくださいという神頼みという事です。戦場にいるような気分で、銃弾にあたれば、生命の光が消えてしまうような、思いがあったのです。このような闘いをしたという事が、現在の宮城県本部の礎を築いているという事は、間違いないという事です。それは、もう私の心に留めておくだけの事でしょうが、これからもっと厳しい道のりがあるかもしれないと思って、後輩の為に表現しているのです。
 極真会館が産声をあげてから、半世紀も経っているのです。その充実しようとする団体であるから、余計に気を引き締めて取り組まなければ、栄光を表し続けていく事が難しくなります。希望を持つという事は、それなりの目標と、自覚をし続けるという作業が必要になってきます。自分に厳しく、そして人にやさしくするという事を、自分の信条として、取り組む日々にしたいものです。