2016年2月29日(八段語録2703)
第四章 礼節
第一節師弟関係


 人としての基本は親子関係です。それを道場では、師弟関係として、気づいて貰おうと思っているのです。人としての生き様を考えると、どんな存在の権限にも曲げられない関係なのです。その関係には誰もが認めるところなのです。この気持ちを持って動くときに何でも動かすことができるのです。この関係を維持できるとしたならば、それが幸せの原点になるという事です。親は、理想を願って、子供に期待する愛情豊かな関係を持とうとするものです。息子・娘に対しては、愛情を投入するのです。これが親子の関係がなされる原点になるはずです。このような親の気持ちを、子供が理解するかというならば、それは、人生経験のない子供にとって無理というものです。そこで、養育係として、道場の指導者が極真空手道という分野を通じて、親の愛情がどのようなものかを示すという事に成るのです。
 というのも、親子が一身であるのは当然のことです。そこには、愛情と、生命と、血統が連結されているのです。そのような関係は師弟関係では、成されない事ですが、在るべき親子の関係の姿勢を道場という神聖な場所を通じて、指導することは出来るというのです。予約だけのような関係ではないのです。親子関係は、心を尽くし、精神を尽くして、骨肉が溶けるような苦しむ中でも、続くのです。そのような意味では、親子関係で最高の力が合わさり、全体の理想の力まで合わさった中で、家庭や地域に花を咲かすのです。その香りが家族と地域を覆うという事です。そんな家庭を作っていくための、外注されて訓練するところが、道場という事です。何も肉体だけを強くするというものではないのです。親が子供の成長を心配するあまり、道場で、礼節を学ぶことによって、素晴らしい親子関係を築こうとするのです。
 ところで、稽古の意味は、人生を複雑に捉えずに、最高に喜ぶ中で、最高の生命力を発揮し、最高の力が合わさり、極真の理想のパワーまで合わさって、人生の花を咲かすように訓練するということなのです。そのような稽古で鍛え上げた心身に、自ら陶酔するような気持ちになれるのです。それが、最近の修行の成果で感じることです。また、武道精神を身に着けることによって、邪悪な誘惑から免れるのです。武道精神が自分の心に宿る事によって、正しく人生を歩めるのです。それは、誰よりも道場生一人一人を心配しておられる両親がいるという事を、稽古を通じて理解するようになるのです。この世の中で、両親の愛情が一番大きいという事が自覚できるように指導するというのが、道場の役割です。
 このような意味を踏まえも、礼節を確立するという事が重要になってきます。このような事を指導して、内面を大切にする道場生を育てるのです。ですから、人間の中に潜んでいる、全てを占領しようとする本性の欲求を、親子という関係を築き上げることによって、お互い傷つけることなく、人々が共通に分配されるように、満たすことができるというものです。礼節は、欲望を最大限満たしていく上で、重要な要素であり、生き方なのです。そうすることによって、人はお互い大切に生きることができるというものです。親子関係をベースに最大限に人を自由にする処方であると思っているのです。