2016年2月13日(八段語録2687)
NHKのど自慢

 母親に親孝行の一日です。というのも、母親がNHKのど自慢の予選に出場することになったのです。今回は石巻の河北町での出演ということで、朝九時には家を出発して、現地に十時過ぎに到着でした。母の出場ナンバーは114番でした。休憩を挟んで、母は八十六歳で19の春を歌いました。とても輝いていました。本人は冥途の土産ができたと喜んでいました。予選で落ちてしまいましたが、二百七十名の出場者の中で二十名に入るのは至難の業問う事でした。私も席で聞いていたのですが、うまい人が選ばれるという事でもなく、その時の選考の意図は容易に分かるものではなかったのです。ただ仮装が派手であった人は、意外と選ばれていなかったという事と、場慣れした人も選ばれていなかったようでした。それにしても、予選会にだけでも出場した母の姿は輝いていて、私の心の中では合格でした。
 このNHKのど自慢に、息子の私と、嫁の千順さんと三人で出かけたことが、母にとって嬉しかったのでした。「家族が一番」という気持ちです。その「根っこ」である母が喜んだのです。母の満面の笑顔を見ることができたのです。元気な八十六歳の母に心行くまで喜んで貰った私も、喜びを隠すことができませんでした。大げさですが、母を喜ばせるために、今まで生きてきたと思えば、それで本望という事です。ここまで育ててくれた母に感謝です。このような私の人生として力をつけ、大きく成長させてもらいました。どれだけ私が育つためにあらゆる栄養素を与えてくれたでしょうか。そのような意味でも、完全な根が母であると思うのでした。嫁の千順さんは、最後まで母に付き添ってくれました。もう親子みたいなものです。それも微笑ましかったのです。
 ところで、母のお陰で、存在しているという事を確かめておくことができました。それゆえに、ふらふらしたり、母を落胆させたりすることは出来ないと思うのです。いまこそ、男として最も輝いている時にしなければと思うのでした。今まで以上に、一生懸命働き、最高の理想を描き、力の限りの仕事をしたいという気持ちになります。母が根っこになってくれているがゆえに、妻と結ばれることが出来たし、幹から出て、枝と葉が茂るように、子供達も授かることが出来ました。親と夫婦と子供達、この三つを備えることによって、はじめて「世間に立つライオン」のようになれたという事でしょう。母を喜ばせ、妻に感謝し、子供達を育てるという聖業を成し遂げることが出来る、環境にある事に幸福感を感じざるを得ないのでした。
 今日は、精一杯親孝行させて頂きました。だれでも「素晴らしい事」というと思うのです。私もそう思うのですから、人類共通の事に違いないのです。それはまさに、良き実を結ぶための歩みであり、このような事が、理想的であると思うのでした。これで母親に良い事をしたと胸を張って言えることだと思うのでした。自分よりも母を大切にするという気持ちは、いつもあるのですが、こうしてNHKのど自慢の予選に出させていただいて、最高の親孝行ができたという事を感謝するのでした。こんな場面を与えてことに、NHKのど自慢万歳と叫びたくなったのです。明日は、母は、くぎ付けになって、NHKのど自慢を見入っていると思うのです。公共放送ののど自慢に感謝です。