2016年2月4日(八段語録2678)
決して身を卑しめるな

 道場は、一生修行するところです。瞬間的、一時的、期間的な修練をするところではないのです。生涯生きるための、基礎訓練を続けるところなのです。それにも関わらず、また極真の他の団体の有段者が、東京都内の女子大学から、学生の下着などを盗んだとして、警視庁が窃盗と建造物侵入容疑で、逮捕していたことが、捜査関係者への取材で分かったというのです。容疑者は容疑を認め、「脱ぎたての下着のにおいをかぐのが好きだった」などと供述、周辺では女子学生らの下着などが、盗まれる被害が相次いでいるといい、警視庁は他にも被害が100件近くにのぼる可能性があるとみて、裏付けを進めているのです。捜査関係者によると、容疑者は平成27年10月25日、世田谷区内の私立女子大に侵入し、更衣室などから学生のレオタードや下着など計8点を盗んだ疑いが持たれているという事です。
 これは、他人ごとではないのです。道場設立から、もう二十年の歳月が過ぎていますが、指導者や道場生にこのような事件を起こすなと、書き続けているのです。それだけに不安は過ってしまうのです。小学校から稽古した少年が、指導員になろうとしているのです。手塚グループでは、絶対に起こしてはいけない犯罪という事です。このような事件を起こせば、今まで積み上げてきた、すべての功労が一瞬で無くなってしまいます。もちろん、許されて更生の道は残されるとしても、指導者としては問題という事です。どんなことがあっても、肉体を持っている期間は、このような「過ちは犯すべからず」という事です。愛情を呼吸するのではなく、好色に身を落としてしまったという事です。それは、修行で身に着ける人格と何ら関係がないのです。春夏秋冬いつでも、どこでも、私生活においても、公的生活においても、どのような事があっても、正しい人格を具備しなければならないというのが、私達の姿勢でなければならないという事です。
 それで、言いたいことは、肉体を心で屈服させなければならないのです。ただ肉体を強くして野獣になってはならないという事です。正しい心を肉体で殺すようでは、生命の終わりを意味すると考えて良いと思います。極真で肉体を鍛えるという事は、昆虫が堅い皮を破り繭から出るような思いと考えるべきです。新しい精神状態と形態を備えて、本質に迫る修行をするという事です。そのような犯罪に走るという事は、肉体だけの強化を試みて、肉体を心で管理できないという事です。性に対する興味は、年頃になれば出てくるのです。私達の指導は、良き家庭を築くためという理念があります。それ以外に、性の濫用は認めないというのが、このグループの基本なのです。この理念からは、決して犯罪は生まれないのです。性は夫婦間で、幸福の門を開門する為に使用するものなのです。そのような尊い性を卑しくしてはならないというのが私達の主張なのです。
 道場の指導者はもちろんの事、道場生においても、生涯極真で何を残すかという事です。決して不名誉な事件は残さないで欲しいのです。それよりも、愛情で包まれる人生を残して欲しいのです。極真の修行をした道場生が、この武道精神によって、自由を得ることができ、どこへ行っても、犯罪とは無関係で、何の制限もなく、どの方向にも行くことができるように、身を治めて欲しいと思い、説教させていただきました。