2012年2月9日(八段語録1587)

家事


 妻の仕事を手伝う事がこれから多くなりそうです。妻に対しては、惚れた弱みで、愛情を注ぐだけで、文句の一つも言えないのです。妻が下宿業を母から継承して、もう二十年の歳月を迎えているのですが、嫁姑のゼネレーションギャップや、地域に馴染むための、人知れぬ苦労があったのではないかと察するのです。そのような苦労を表情にも出さずに、いつも明るく振る舞ってくれているのです。もちろん私に対する注文厳しいものがありますが、妻の要望に応えていくのが人生であると、努力をしながら、妻の為にと心に決めて手伝っているのです。
 空手の修業時代、何故心身を鍛えようとしているのかと問い続けた事があるのです。もちろん、試合で勝つことを意識して練習してきたことは確かですが、それ以上に、妻を支えて、尚且つ守って、愛情を注いでいく為に鍛えているというのが本質であると答えを出していたのです。実際、それ故に空手の厳しい修業を続けてこられたのであると思うのです。空手道を通じて自己管理をして、一番輝いている姿を示し続け、愛情を注ぎ続けるのが人生であると、本当に思えたのでした。
 午前中、二人での会話が続きました。息子夫婦の事、順香の事、文誉の事、話は尽きないのです。妻の観点は、厳しく現実的な指摘になります。そのような指摘は、愛情をしっかり注いでいるからだと感じるのです。決して甘やかしたりはしないのです。私は、そのような妻に同調しているのです。それだからと言って、見つめ方が一緒であるかというならば、私の場合、目を細めて大らかな愛情で漂っていて、全てを許しているという対応の仕方なのです。それでも、妻の観点だけで話を進めて、口出しはしないのです。妻は、満足げに話を終了していました。
 午後からは、下宿に育英のサッカー部のコーチが来て、生徒を預かってほしいという事なので、私も参加する事にしました。今年は、下宿の問い合わせが多いのです。例年の三倍以上の問い合わせです。その対応の一環を受け持つことにしたのです。午後三時に話し合いを持ちました。最初は野球部との交渉だったのでしたが、いつの間にかサッカー部になっていて、妻は混乱していました。それを整理するような立ち合いという事になりました。結局、サッカー部の入居を前提にしたのです。
 その後も、妻との会話は続くのです。驚くべくことに、妻との話は、何回も心を込めて繰り返すことが出来るという事なのです。妻と話すのですが、私の意見を超越して話します。二人でいると主人は妻のようです。しかし、この関係に大いなる恩寵があるのです。結局は、望んでいる方向に全て進んでいるのです。この飽きない関係から奇跡的な出来事が起こるのです。奇跡はあるかと問うならば、それは確実にあると答えるのです。奇跡とは、妻との会話によく起こります。宇宙の力が二人の会話に現れるよう思うのです。だから、何か奇跡はふつう一般に考えるような不可思議な事ではなく、妻と会話を続けることにも表れると思っているのです。