本部長通信158  2008年4月21日

人生転換(6)


 指導者としてどのような姿勢で極真空手に臨むべきでしょうか。趣味の次元で終わることではないのが極真の道でした。自分の一身を投げ打っても、この道を全うしていこうとする信念と空手に対する愛情心が心に残らなければならないのです。
 空手に対する愛情心なしには、空手は続かないのです。自分と空手を対比させて考えると、極端ですが、自分を否定して空手を優先させるのです。全日本大会では、命まで否定して立ち向かわないと勝てないのです。全面対決の中で自分がふと大切だなどと思った瞬間臆病になってしまって、相手のなすがままになってしまいます。
 師範の立場は、個人的な立場では無くなってしまいました。まさに、人生転換でした。自分が生まれて55年になるのですが、人生転換の境地なのです。以前の選手時代の勝利圏など問題にならないほど範囲が広いのです。選手時代の戦いと、師範になってからの戦いでは、全然違うのです。師範は、選手時代の戦歴とその生活が、自分を支えるのです。選手時代の歩みを整理しなければ、師範としての歩みは出発できないのです。
 選手時代は、極真空手の伝統を開拓し、自分の肉体と魂に焼き付ける何物でもなかったのです。指導者としての原点がここにありました。師範としての今は、宮城県本部としての立場から世界に対する使命を全うすることに意義を見出すのです。
 
師範稽古 突き40分