2012年1月8日(八段語録1555)

鏡開き・初稽古


 今年の稽古が始まったという事になります。天候は晴れで清々しい空気が会場を覆いました。朝早くから各教室の代表メンバーが集結してきました。仙台市宮城野区にある元気フィールドには、道場生の活気で満ち溢れていました。私の挨拶を初め、黒帯の先生の指導で全館に気合が響き渡りました。最後は、外の芝生で、実践組手で終了しました。今年も良き年でありますように、祈る思いで初稽古に望みました。
 さて、稽古について考える時に、決して忘れてはならないことがあります。それは、一度稽古をさぼると取り返すのに、三倍のエネルギーを費やすという事なのです。稽古そのものが、一時的なものではないという事実を認識して欲しいのです。継続は力なのです。特に、子供達の場合、大人になっていくという成長過程にあるのです。蓄積以外に器は広がらないのです。
 さらに、初稽古は、実に気持ちがいいのです。一年の出発という気持ちが満ちてきます。それもそのはず、初稽古には、鏡開きというくらい、不思議な力が内包されているのです。人生におけるすべての課題、障害、困難を解決するだけのパワーが、みなぎってくるのです。もちろん、私達は武道家ですので、どんなことでも自分で解決できないことは無いという、信念だけはあるのです。そして、その心技体は上達し達人の領域に、到達するようになるのです。
 ところで、人それぞれの人生は、まるっきり違っているのです。誰もが同じ課題にぶち当たるとは限らないのです。時間と空間が違うのです。例えば、小学生に家計を支える悩みは基本的にはないのです。八百屋の主人に、商品が売れるかどうかという悩みはあっても、選挙に当選するかどうかは立候補してみなければ悩みにはならないのです。つまり、自分で解決できない悩みは、持とうとしても持てないのです。そのような意味では、自分の人生は自分だけが解決できるという事になるのです。今日の道場生の皆さんの課題は、皆さんだけが取り組む課題であるのです。
 初稽古で感じてほしい事は、様々ありますが、人生を切り開く力は、道場生一人ひとりにあるのです。心を無にして、雑念を取り払い、今の自分のパワーをフルに発揮させることが必要になってくるのです。この稽古で、自分に内在する無限の能力を感じて貰えば、気持ちの、鏡開きに匹敵するのです。その価値を肌で感じた時、無限のエネルギーで、今、満たされるようになるはずなのです。
 本当の人生を歩もうとするならば、今日の初稽古を大切にして欲しいのです。そして、信念を貫いて、無意識のうちに、心の中に潜在するパワーを初稽古で手に入れて、今年の出発にして欲しいと感じているのです。