2011年12月4日(八段語録1520)

積極的人生観(93)
 ハワイ三日目 母の健康管理のケアー

 7時55分、アンバサダホテル集合で、大型バスに乗り込みました。ホノルルを出発してオアフ島一周の旅です。最初に訪れたのは、日立の木で有名になったモアナルアガーデンでした。「この木何の木気になる木」のキャッチフレーズを思い浮かべます。母の様子は至って元気なのですが、歩くのに不自由なのです。少し歩くと休んでしまいます。今まで感じていましたが、親父を亡くしてから、その状態が進行しているのです。それでも、大きな手入れの行き届いた合歓の木の下で少しの時間を過ごしました。
 さらに北上して、ドールプランテーションに到着しました。巨大な屋外の迷路やパイナップル畑を走る機関車など様々なアトラクションがありました。パイナップルのデザートを食べたのですが、母にすれば血糖値がきになるようでした。この火山灰の土にはパイナップルとサトウキビ畑があっていたようでした。しかし、パイナップルの収穫には一年半以上もかかることや、農作業は、全て人による作業が多く、重労働であり、人件費のコストが高くつくという事で、ほとんどの農園は閉鎖になっているのです。ゴルフ場という声があったそうですが、それも途切れているとのことでした。
 次にもっと北上し、北のサンセットビーに到着です・。波が立ち、サーフィンの世界選手権が開催されるサーファーの聖地になっている所なのです。この町は、日系の人達が多くNHKでもドラマにあった松本さんの家と経営している農場もありました。ここで昼食を食べたのですが、エビが大きく醍醐味がありました。母は真珠湾攻撃とか日系の人が苦労して開拓したハワイに、自分の生きた時代の人生を重ねて涙を流したりしていました。島をめぐると、観光地というよりは、苦労を重ねた日系の人達を脳裏に宿しているという感じでした。
 夕方ころには、再びホノルルに到着というスケジュールでした。観光地を歩いている母の姿が気になって、ホテルに帰ってからは、歩行訓練を始めました。部屋や廊下ではなかなかうまくいかないので、三階のプールに出かけて、水中で歩くという事を試したのです。浮力で身体が軽い為に、休まずに歩けるという事なのです。四十分程歩くと、足の股関節の動きが良くなって歩きやすいというのです。さらに四十分続けるころには、母はプールで飛び跳ねながら歩くようになっていました。
 陸地では、100メートルも歩かないうちに休んでしまう母でしたが、プールで四十分歩いたのですから、気力はあるという事と、かなり足のリハビリになるという事を体験しました。この水中での訓練は、私が広島時代に取り入れた方式でした。もう既に三十年前になります。空手の技の研究で水の抵抗力を利用して、突きと蹴りを繰り出しながら練習を重ねていました。このトレーニングの為に、全日本でも上位を目指すことができたと思っているのです。
 この訓練が母のリハビリに活かせるとは夢にも思わなかったのですが、自分の訓練が親孝行になっているのです。感謝すべきことであると思っております。母と一緒にいて、感じることは、今まで競争を主体にしてきた人生だったことを反省するのです。ちょっと振り返る時が来たのかという気がするのです。母と一緒に過ごすと、愛情心を先立てなければ一緒に居られないのです。母の世話をするというのがハワイに来た理由なのです。その意味でも競争心には限界があるという事なのだという悟りです。もちろん、母を面倒みているという事がメインであるからという事もあります。この母を面倒みるという愛情心は、空気が無くならないと同じように、愛情心は無限でなくなることもないという実感です。この愛情はちょっと疲れますが、何も奪う事もなく、欲するすべてが包まれて満たされて行くように思うのです。ある意味で、愛情心には限界が無いので、競争心が生まれてこないのかもしれないのです。限界があるとしたら競争原理が働きます。椅子取りゲームのようにもなるのです。愛情心は無限にあるものですから人と争う事もないのです。愛情を持て、何事も見つめるならば、無限の英知がもたらされるという確信さえするのです。そのような悟りをするのでした。