2015年11月22日(八段語録2604)
世界を良くしようとする意識を持とう

 こんなに暖かくていいのだろうかという気候が続いています。審査会の二日目も、穏やかな無風の太陽が輝く朝を迎えています。今の自分は、全世界に向けて極真の伝統を立てるという作業を行っているのです。もちろん、この審査会場・グランディでの伝統を立てて、世界の極真に携わる道場生にメッセージを送ろうとしているのです。自分の道場だけで完結したくはないのです。あくまでも空手道のモデルとして、他の流派でも、空手以外の分野でも、関係なく、道場生を教育するという事の、何たるかを知ってもらおうとするのです。私達のグループは奥義として秘められているという事は無いのです。全てをオープンにして、このような審査会が人を良き方向に変えるという事を知ってもらおうとするのです。ここでの指導者の姿は、断固として持っているすべての技を与え、愛し、すべて投入する姿勢で道場生の為に貢献していくのです。
 さて、昨日は、理想的な生き様を私の少年時代からの経験を話して、考えてもらいました。そこでの強調したことは、循環スタイルをとるという事です。個人はしっかり家庭を支え、地域社会の為に貢献し、人々に何か役立つ事をしていくとするならば、結局は自分の為になるという事なのです。そこに調和があり、永遠の繁栄の法則が展開されているのです。今回の審査会の全貌は、このような姿勢で貫かれたのです。もちろん、その結果が溢れんばかりの感動が道場生に伝わったと確信をしているのであり、一生忘れることのない充実した日々として歩んだという事と思っているのです。まさに。「めざせ、理想郷」という思いがするのです。審査会での道場生の姿勢は、限られた限定された環境ですが、稽古で利己心を克服しての期間でした。そうすることによって、調和を生み出し、喜びと感動が爆発していくのです。そのような経験をした道場生でなかったかと思うのです。
 ところで、誰しも楽をしたいのです。その気持ちはいいのですが、この道場では、稽古を優先します。それは、とかく楽をするために、利己心が強調されると、家庭内でも、道場内でも不調和を生みだし、結果的に楽が出来るというより苦痛と困難の連鎖が広がります。誰しもが、楽がしたく、仕える事よりは仕えられることを望みます。夫は妻を使おうとし、妻は夫を使おうとします。この関係からの楽は限界があります。フランスのテロ事件で百三十名の尊い生命が失われました。これに対して、イスラム国に対する報復がフランスでも空母を使って始まりました。テロ側は聖戦と言っており、フランスは戦争という位置づけになって来ています。これからますます混迷の世界になってくることは間違いないのです。私達は何をしなければならないかという事になりますが、楽をすることよりも、個人として、憎しみを持たないという事と、愛情でもって、貢献することではないかと思うのです。それが世界に平和をもたらす道であると思うのです。
 一生懸命、道場生の審査の為に貢献してくださった指導者の皆さん、心から感謝しています。自分一人では、何もできませんが、こうして未来を背負っていく青少年の為に、全力を尽くしてくださったことは、子供達の心に刻まれていると思うのです。人の心に焼きつく行為は、いつしか感謝される時が来ると思うのです。私も道端で、挨拶されることがあります。もうしっかりとした青年だったりします。それが道場生であったりするのです。