2015年11月21日(八段語録2603)
畑仕事から冬季審査会場へ

 冬季審査会が開かれました。その前の朝、根白石の畑で、大根の収穫をしていました。百二十本を漬物にします。そして三十本を近所に配って、おいしく頂いてもらおうという事です。夏から今まで育てた大根が隣近所の食卓に上がる事は、嬉しい事です。野菜を公的に管理するという事です。もちろん、心の奥底では、もったいないという気持ちがありますが、隣近所があっての私達家庭であるという意識が大事であると思うのです。丹精に大根を育ててきたので、その大根に対する愛情は人一倍なのです。そして、それを食べるときは、その大根の価値を野菜というだけでなく、私が心を込めた愛情分も跳ね返ってきそうです。この大根が骨になって、肉になって、活動するエネルギーになって、私の活動の為に働いてくれると思うと感謝の気持ちが湧いてきます。この大根も、私の活動を支援するために、育ってくれたと思うと、何ともありがたい気持ちになるのです。
 そのほかに、ネギがあり、白菜が育ち、玉ねぎも一冬を越そうとする準備をしています。畑の空いた空き地には、石灰をまいて、土壌を作っています。来年の野菜を育てるためです。土に肥料を入れて、良い土壌にするのです。もう、二十数年の畑仕事をしてきたのですが、毎年毎年、天候が違うので、その年の対応が違ってきます。すべては、自然に対する愛情から発する手入れという事になります。この畑を耕すことで思うのですが、この自然には無限の価値があります。そのような自然をタダ同然のように恩恵を受けているのです。自然をお金で買うとしたら、どれほどのお金が必要でしようか。天文学の金額になると思うのです。そうすると、この自然に対しては、大切にして上手に調和していくという事になると思うのです。そんな事を考えて、審査会場に向かいました。もちろん、大根をいっぱい車に乗せたのでした。
 自然で学んだ事を引っ提げて、審査会場のグランディーに向かったのでした。自然に抱かれた、公的な感覚になりました。生活哲学が坊さんではないのですが、天地の理知に従った気持ちで挨拶をさせて戴きました。このような気持ちから発する言葉は、人を勇気づけ、原則を中心に、公道を歩むことが出来ると道へと導くことが出来ると思うのでした。多くの道場生が審査を受けようとしていました。緊張気味でしたが、審査が始まると、今まで学んできた内容を、思う存分発揮していました。ご父兄の皆さんも目を食い入るように、二階席から身を乗り出して、応援していました。私も審査の最後まで、道場生の成長している姿を見届けました。
 合宿所は、審査会場とは違って、子供達はリラックスしていました。こんなにも子供達が生き生きするものかという実感です。そこで、私も、どのように極真空手に出会って、どのようになったかという事を、素直に話しました。笑って聞いいたり、真剣になったりと、千差万別の表情が現れます。一人一人が躍動して、とても話しやすかったのです。そして、フィナーレには、私の歌までも飛び出してしまいました。これからの社会を背負っていく子供達に、未来があるようにと思うばかりでした。おそらく、一睡もしないような子供達もいるのだろうと思いながら、よき思い出になれれば幸いという感想でした。