2015年9月6日(八段語録2527)
「家族」というテーマ

 私の人生の歩みそのものが、人の集まりになるという妙味に、言い知れぬ喜びを感じてしまいます。極真空手は、あくまでも方便であって、私が人生の行きつく、「道標」であるという事です。別の手段はいくらでもありましたが、適正からこのような対応になったという事です。何といっても、生き方に自信があるという事から来るのです。見えない精神を見える空手道に似せて、「どうすべきか」という結論を一つ一つ答えを出していったのです。無我夢中でがむしゃらに、人生を行き当たりばったり行くというよりは、こうであるべきであるという結論を見出して歩んだ事になります。若かりし頃より、悟りを開いて実践するというパターンなのです。それを形としては日常生活なのですが、それでは、どのようにするかという事が、漠然となってしまいます。そこで、稽古という二時間に集約して、今まで培った基本・移動・型・組手という目に見える指導の中で、悟った内容を指導するのです。
 極真空手の伝統だけに、地上最強です。それに付随させるように、「家族」というテーマを全面的に主張するのです。これが手塚グループの特徴なのです。極真空手が最強であると世間が認めるように、「家族」という理念が地上最強であると主張するのです。「家族」という単位の中に、基本があり、移動があり、型があり、組手があるという指導です。そして、その中で、培わなければならない事が「対話」であるという事です。この「対話」もラッキーセブンともいうべき、前後・左右・上下の中心点に立つような訓練をするのです。これも、事細かく話すと長くなってしまうのですが、端的に話すならば、ボールの中心点が七番目の位置であり、ここを目指して不動な人格と「家庭」を形成しようという発想なのです。
 ところで、手塚グループは、見えない精神世界を空手道という見える形に表現して、段位を与えていくという革新的な事を始めた団体という事です。心技体を総合的に評価するのです。肉体の強さだけを強調するのではないのです。そうすることによって、充実した家庭環境を形成して、人間としての幸福なレベルを高めていこうとするのです。そのような立体的な武道を唱えていくのですから、趣味の範囲は越えて、人生そのものを探求するまでに、昇華されるのです。ですから、道は人生が終わるまで続くのです。