2015年8月9日(八段語録2499)
ドリームカップ
代々木のホテルを出発して、そのまま千駄ヶ谷に向かいました。ドリームカ
ップは東京体育館で行われているという事なのでそのまま直行です。到着した
のが十時半でした。最初に小学六年軽量級の部に参加している子供のセコンド
に付きました。この出場している道場生の、ご父兄の姿勢はとても立派でした
。仙台から来た師範を大切にして、セコンドの応援に私を導いていました。実
にその姿勢が大切です。ご父兄の中には、指導員でもないのにもかかわらず、
指示するようなご父兄が増えています。それは誰も指導者がいない場合には、
わが子を思って対応すべきですが、あくまでも指導をしてはいけないのです。
ましてや空手の稽古をしていないご父兄が激を飛ばすという事は、あまり好ま
しいものではないのです。もし激を飛ばしたかったら、ご父兄の方も稽古をし
なさいという事です。応援は良いにしても、いかにも指導するような言動は慎
むべきです。そのような事を頭の隅に抱いて、自分子供が、ドリームカップで
戦う事が出来るのかという事を検証して、参加させて欲しいと思うのでした。
さて、今回のドリームカップでの収穫は、中学一年生女子の部で小林選手が
優勝したことでした。日々努力して改善してきた結果という事です。それでも
まだ十三歳です。これからどのように自分と対峙していくことが出来るかとい
う事が大切になります。私の発想というよりは学生時代に学院大学で学んだこ
とも取り入れての意見ですが、彼女のこれからは、自らを制し、慎み深く、礼
儀正しくなるべきです。そして、旅人をもてなすかのように、後輩を大切にし
、よく教えていかなければならないでしょう。そして、乱暴ではなく寛容であ
り、人と争うことなく、自分の家族を大切にしていくという事です。その土台
の上に、稽古を積んで自らを研鑽することが望ましいという事です。そのよう
な事を本人に要求できませんから、ご両親が率先して導いていくようにしてく
ださい。ちょっとした勝利に甘んじているようでは、誘惑が目の前にやってき
ます。これからが本人の自覚が必要なところです。
ところで、このような大舞台で、栄光を受けるという事は、人一倍、悪の要
素を除くための戦いをするという事です。ですから、チャンピオンとしての誇
りとして、誠実に歩まなければならないでしょう。食べて、寝て、着てと、今
までのように生活するのではなく、目標を持った生活をすべきです。全国優勝
という栄光を受けたのですから、これから重大事を前にして、自分と談判する
ような気持ちで充実させる人生を送るべきです。これからは、あらかじめ道を
究めるとすると、批判されることもあると思うのです。それでも自分が率先し
て、先頭を切って歩む努力が必要です。
ちょっと説教調になりましたが、栄光を受けた者のこれからの姿勢を述べた
のでした。ただの道場生ではなく、目立った道場生になったのですから、よく
指導者の言葉に耳を傾けて、一歩一歩着実に歩みましょう。そんな気持ちを後
にして、新幹線で帰ってきました。道場としても嬉しいことですが、そのレベ
ルが全体に波及するように、全道場生を盛り上げていく起爆剤になれたら良い
と思うのでした。我が家に付いたのが十時すぎでしたが、充実した一日になり
ました。