2015年6月1日(八段語録2431)
カザン市からボーガル村へ
カザン大会も終了しました。大会前日に空手の子供を乗せたバスが転倒して、死者を出したので、大会が中止になるのではないかという事で、ボリス師範は緊張していたのですが、結果、ほかの大会に参加する子供達であったということもあって、開催されたということでした。ホテルをチェックアウトして、ボリス師範と共にボーガル村へ向かいました。広大な農地が続くのです。見渡す限り広大で両サイドは地平線が広がっています。どこまでも果てしないのです。
ここに日本の農業技術が融合されるとしたら、相当な収穫が得られるようにも思うのです。通訳の高橋さんから様々な事を聞くのですが、おせいじ抜きで、日本人は尊敬されているのです。話を聞くと、朝鮮人と中国人は、ちょっと敬遠されているという事でした。ヨーロッパでもアメリカでもそうですが、日本人が訪ねてきたという事だけで、その招待した人が尊敬されるようなことだそうです。晴れた一直線のハイウエイを突き進んでいくと、ボルガ川が右の車窓から見えるのです。川というより、湖のような広さで広大な流れを続けてカスピ海に注ぎ込むのです。そして、ボーガルの村の近くに至ると、カワという大河と合流するのです。日本で考えられない広大な風景に只々感動するだけでした。
夕方にはボーガル村に到着して、ホテルにチェックインです。ボルガの川の見える高台の公園で、バーベキューパーティーです。ここでの指導員であるラシードは、足が一本、拳銃で失った方なのですが、この地域の子供達に指導しているのです。そのご夫妻の招待で、六人での楽しいひと時を持ちました。自分のハンディを諸共せずに、人生を戦い抜く姿には感動を覚えるのでした。満月の空がとてもエキゾチックです。ここの地方はカタール人で構成されているという事でした。時間の流れが、穏やかに、そして和やかに過ぎていくのです。とても幸せな気持ちにさせられました。
ところで、通訳の方なのですが、日本人の夫との関係で悩みを抱えているのです。毎日泣きながら、家庭内暴力に耐えているというのです。日本で知り合って結婚をし、男の子二人と、女の子一人の五人家族で、カザン市の郊外にカフェを構えて、五年近く開業しているのです。夫とうまくいかないという気持ちが日に日に高まって、一か月近く家を出てしまうこともあるというのです。その女性の解決策として、聖書で解決しようとしているのですが、なかなか深い恨みが蓄積されているようです。私とも話すことになるのですが、二十年近い長年の気持ちが募っているので、心を開放するようになるには、時間がかかりそうです。それでも、祈祷を欠かさずに人生を歩んでいくという事を話してくれました。私の場合、女性からの悩みの相談に乗る事を、極力さけてきたので、今回も、話を聞くだけに留めてしまいました。
それにしても、ロシアのカザン市、そしてボーガル村という土地まで訪ねてこられたのも、極真空手の指導者であるからということなのです。これも天に感謝ということです。このボーガルの村も心に抱いて、多くの人の気持ちを繋げていくことのできる架け橋になろうと思うのです。生きていて、只観光名所を巡っていくのではなく、素朴な地方の人達との交流ができるというのも、極真空手という媒介があればこそ、できるということなのです。私の人生は、還暦を過ぎてからも、多くの人との絆を持つことができるという恵まれた環境におかれているということなのです。感謝しながら、ベッドに横たわったのでした。
ともあれ、会長と共に歩むことは偉大な仕事を成就する多という事でしょう。そのためにも、巨大な愛を探らなければならないということです。ただただ、最高の愛の力でもってしか、これからの空手道の道は開拓されないということです。このグループは、朝の太陽のように広がり、誰も止めることができないという気持ちになります。このような輝く朝の光のように、あまねく全世界を照らすに違いないと思うのです。空手道の中心ポイントを心においているこのグループの発展を誰が止めることができるでしょうか。