2015年5月30日(八段語録2429)
カザンにて

 今日は、カザンでの活動になりました。午前中は、市内の観光という事でしたが、会長と話し合う事で時間が過ぎてしまいました。カザンは、モスクワに次ぐ第二の都市です。そして、ここ数年急速に発展しているのです。2007年に初めて来たときとは、信号機もなく、インフラ整備も遅れていましたので、見違えっているのです。さらに、高層マンションが立ち並ぶようになりました。そして、ボリス師範の道場も充実してきているのです。午後から、稽古をして、さらに、世界的に有名なロシアのサーカス団が来ているという事で、夕方からはサーカスを観に行きました。このボリス道場も手塚グループの理念を中心に活動しているということです。
長くロシアに来て、この国のためにどれだけ貢献することができるかという事を強く意識させられました。それには、共に生きるという心がなければならないという気持ちになるのです。ロシアも含めて、極真会館手塚グループという意識が高くなってきています。それを念頭に置くと、私の人生行路も世界に広がっているのだという気持ちになります。
 まさしく、ロシアの道場生と共に居たい、共に活動したいという気持ちが湧いて来ます。それは、上下という関係ではなく、共に居たいという思いで、昼夜を越えて、この期間を土台に、生涯を共にしたいという思いになるのです。これは、ロシアという現地を愛そうとする燃えたぎる心のようなものです。それだからと言って、ボリス師範を下に見下ろすような気持ちになっているのかというと、そのような気持ちは全くないのです。私の気持ちの中に権力的な発想は全くないのです。
もちろん、金銭でもないし、前後左右の区別なく、過去、現在、未来の時間性を超越して、共通の立場として認定しているのです。それは、手塚グループの家族という理念に基づいているという事に相違ないのです。もう私の心には、極真空手道という絆のもとに、共にロシアの人と頑張っていこうという情の因縁を持ってしまいましたので、共に生きるという特権を持ってしまったことになるのです。
 ところで、今回はロシア人の通訳の人が一緒に過ごしてくれました。日本でも何年も過ごしている方で、日本人の高橋氏と結婚して、このカザンの近くの都市に住んでいるのです。日本の文化を大切に思っている方で、懇切丁寧に通訳をしてくれました。この女性が、新たなるロシアとの関係を強化してくれるのではないかと期待をしました。彼女はロシア正教のクリスチャンで聖書を大切にしている方でした。とても信仰的で、よく聖書を読み、祈りをささげる女性です。それだけに信頼を持てたということです。
 彼女との個人的な関係も構築することもできましたし、日本の男性と結婚していますので、気持ちも通じるものがありました。会長と歩んできた道に間違いのない事を痛感したのです。そして、これからの課題も大きくクローズアップされました。そして、それを継承することの難しさも感じているのです。会長の心配りと、私の雑な心との比較をすると、また障壁が大きいという事にもなります。そのような事で、ロシアでの足跡も、会長が歩んだ道のりの、軽症という気持ちになります。まだまだ、実務的な事、信頼関係、様々な事で、足らないことが多いのですが、日本も含めて、世界を抱くような心を継承していきたいものであると思うのでした。