本部長通信143 2008年4月6日
良き家族(6)
空手は一つの習いごとなのですが、そこに秘められた歴史的伝統があるのです。武士道ですから、家を重んじるのです。先祖伝来の血統を引きついているのです。体裁だけの家ではなく築き上げなければならない基準を問うのです。
師範は、道場生を指導するのですが、先輩家庭としてのモデルとしての責任もあるのです。道場生は究極的には黒帯を目指します。成人としてどうあらなければならないかというときに、師範や師範の家族が目標となります。道場生にしっかりとした道標を示してあげなければならないのも重要な師範の役割だと思うのです。ただ空手の技術だけではないのです。
たとえば、成人した男女が夫婦になった場合、三つの内容を要求されるのです。ひとつは、女性の場合、夫が自分の親父以上に信頼しなければ続かないのです。男性の場合は、お母さんよりも信頼することができなければならないし、自分が妻に対して子供になった心が湧き上がらないと絆がつくれないのです。男女が今まで体験した以上の価値を見出すような気持ちに立って向かい合いなさいという内容です。二つ目は、当然私がいなかったらお互いが一日も過ごすことができないし、夜も昼も絶対に必要な私たちであるという心を築いていくことなのです。共同生活ではないのです。三つ目は子供を産んで良き父母になっていくことなのです。
これは、人間として誰もが良き家族を築くのにだれもが行くべき道なのです。道場生には良き家族を最終的に築いてくれるよう願うのが師範なのです。当然道場生の父母にも当てはまる内容であろうと思うのです。師範は空手の先生だけではなく、良き家族の先生になろうと思うのです。
師範稽古 ウエイトトレーニング 40分