2014年10月19日(八段語録2198)
空手道の立つ位置
人は、空間という世界に立つとき、必ずといっていいほど、上下が必要であり、左右が必要であり、前後が必要なのです。つまり三次元に立つのです。それこそ、自分自身の立場を確立するようになるのです。この空間で生活する私達に空手道を必要とするかというならば、道場生のみなさんが、上下・左右・前後を正しくする能力を獲得するために極真空手はあるのです。武士道という伝統は、上下・左右・前後の関係を、公式的に学ぶのです。最初に、入門してきた時は、初心者として指導者の指導を受け、極真空手のイロハを学びます。自ずと、上下巻関係で、押忍の精神を身に着けるのです。謙遜・謙譲の美徳というものを目指します。
人として、生活する上での上下・左右・前後の関係を、インパクトのある関係から、強烈に心に残すのです。ここから、道場では、左右・前後を学ぶのです。そして道場生一人一人がこのモデルを身に着けるのです。大人として成長したいと思うならば、この訓練は必然的です。そうでなければ、世間での存在位置を確立していくという事は、かなり歪になってしまうのです。これは、自然界における核のようなものです。この中心点が崩れれば、上下・左右・前後の均衡がみな崩れてしまいます。
ところで、よくあるケースは、上司には頭を下げて、調子よくしながら、部下には、傲慢な態度をとるという輩がいます。これは、正しい上下関係を確立させていないということです。例えば、家庭という概念に置き換えてみるならば、上を親と置けば、下は子供という関係になります。親と子供は同等の価値であることは言わなくてもわかるはずです。つまり、上司であろうと部下であろうと、同じ価値があるという意識を持つという事は必要であるというのです。この姿勢ができていない人が多すぎます。道場では、このような歪な心を訓練していくという事になります。
さらに、左右の関係を考えてみても、右が男性で、左が女性であるとします。女性が結婚すると、夫の位置に準じるのです。つまり、大統領の奥さんであれば、ファーストレレディーという事になります。さらに、東から昇る太陽が、太陽の光を西は受けて輝くようになるのであり、東だけが価値あるということでもないのです。
この上下・左右・前後がバラバラであると、崩れるのは当然のことです。これをしっかりまとめ上げる中心人物として、道場生一人一人が地球の上に立つと考えればいいのです。そうすれば、地球に立つ人として立派になるはずです。上下が2 左右も2 前後も2とするならば、地球に立つ1として、つまり七番目の位置に立つという事であり、これがまさにラッキーセブンという事になります。こじつけですが、これも一理あるのではないかと思うのです。道場の稽古はこの中心核が変わらないように鍛錬するのです。もちろん、自分が中心だからと言って、ヒットラーのように独裁者になってはならないのです。1・2・3・4・5・6・7すべて同等の価値を持っているという自覚を持つべきです。この精神があれば、どこに行こうが、どんな状態になろうが、一向に構わないのです。それこそ天上天下我独尊という事になります。そして周りからも尊敬されるようになるのです。