2014年8月2日(八段語録2079)

サマーキャンプ(7)

 最終日になって、審査会が行われました。五段・六段の審査会は、ボードでしないという決定を下していたようでしたが、会長は有無も言わさず、挙行しました。高段者の意識は、50人・60人の組手は当たり前という意識を、師範アランから植えつけられていたのだと思いました。それを、会長が見抜いて、私が実行したという審査会になりました。要するに、高段者はどのぐらいの指導力があるのかという事を確かめる審査会になったのです。組手も年齢も高いので、かなり会長の考慮がありました。
 それにしても、相当恐怖に思っていた高段者の審査会も、誰からの不満もなく、午前中に終えることができました。今回の審査会で、各国の支部長が五段・六段の指導者として恥ずかしくない権威と地位を得たということになりました。怖がっていた、支部長達が、喜びを隠すことなく、会長に感謝の念を抱いたのも無理なからぬ事でした。もちろん、このヨーロッパの支部長を育ててきた師範アランの指導力で今まで育ててきたという事を抜きにして、今回の抜擢はないと思われました。
 そして、初段・二段・三段の昇段審査は、例年と同じように厳しいものでした。まず五十人組手をしてから、お互いの段位に対しての人数の組手です。三段を受験する指導員の状況は、もう限界の真っただ中で、倒れそうな極致も乗り越えて、無事昇段を果たしたということになりました。師範アランが立てた伝統だけに、厳しい審査会になった事に違いはないのですが、組織を健全な方向でまとめたいという会長の配慮が満ち溢れた審査会であったことに、よりグループの良さが現れたことになると思えたのでした。
 グループとして特色のある審査会になった事に間違いないのです。今回が、数多くの境界線の中でも、手塚グループとして出発するターニングポイントであると思えるのです。この境界線を打破して、前後・左右・過去から未来までも、日本と西洋をつなぐ、そして、その壁を越えていくことができるような配慮がなされたのではないかと感じたのでした。今回の審査会の結果。ヨーロッパに秩序がブラックベルトを中心に出来上がったという感じが強いのです。完全な秩序がこれで出来上がり、手塚グループの理念がヨーロッパに怒ってくるのだと思えたのでした。