2014年7月29日(八段語録2075)

サマーキャンプ(3)

 二日目に入って、アラン師範が行ってきたヨーロッパの運営を、引き継ぐことのむずかしさを、感じさせられます。まず、会長を含めた三人に対して、時間であるという知らせは、無く、自主的に時間に行くという事になっていました。日本人の理想ですと、時間前に、お願いしますという呼び出しがあるものと思ったのですが、それは無く、三人で時間に行くということになっていたのです。不満はないのですが、ヨーロッパのボードの器量が悪く、ちょっと会長一行を大切にするという気持ちは、半減しているようにも思えました。
 また、私たちは、ヨーロッパの人達の顔を覚えているかというと、そうでもないのです。毎日のように会うのですが、覚えていないのです。そうすると、サマーキャンプ参加者の名簿とか、顔写真があったらよいなと思うのですが、それは提出されてきません。撮った写真を見ながら、「あの人は誰だ」と推測する努力を必要とされるのです。考え方によれば、西洋人は、いっぺんに覚えられるものではないから、細長くも見え、丸くも見える顔に対して、名簿があれば、より全員を覚えることができたのにと思えるのです。
 ところで、私の実感ですが、手塚グループの理念は、偉大な力を持っていると思っているのです。ヨーロッパの人であれ、もうすでに、日本で稽古している道場生のように極めて立場は、高い立場に飛躍することができるのです。もうすでに、ヨーロッパの支部長に、六段・五段の認定をする会長ですから、日本の道場生よりも、高い師範の立場を承認しているのです。道場生が求めるものの中で、最も喉から手が出るものが、段位です。それを家族という理念のもとに、信頼して、権威付けしてあげられるのは、同じような待遇を与えて、頑張ってもらいたいという会長の願いがあるからであると感じるのです。
 今回のサマーキャンプで、私達とヨーロッパの責任者達が同じ、共鳴圏に入っていったかのように思えるのです。それは、アラン師範の追悼式典の様子や、師範としての認定の段位を授けたことによって、より強固にヨーロッパの組織が結びつくのではないかと思われたのです。ヨーロッパの組織を形成する上で、最も尊い段位を会長が信頼して授けることによって、その縁の絆で結んだ組織は、ばらばらになることなく、責任ある上位段位者によって、多くの道場生が集まるようになるのだと確信したのでした。