2014年7月5日(八段語録2064)
共に歩む人生(5)
福島から二回目の修行に出たのが、春先の3月のことでした。前橋の農家にお世話になって、一週間勉学に励んでから、車で九州まで向かったのでした。九州には、4月から6月の間、歩きながら街並みを眺め、多くの人との出会いをしてきました。確かに瞬間の出会いでしたが、学ぶことが多くありました。福岡・熊本・鹿児島・宮崎・大分・佐賀・長崎とその地域の特色を学びました。仙台しか知らなかった私としては、地域の刺激的特色学んだことになるのです。いずれか、この時のエピソードを書かなければならない時が来ると思うのですが、人生の糧になっていったことは紛れもないのです。
さらに、次に7月からは、中国・四国地方を寝袋一つで歩き回りました。夏の山陽道、山陰道、そして、四国の八十八か所の霊場を回り、人生の何たるかを悟ろうとする旅をつづけたのでした。このような旅での半年余りの期間に、何を学ばなければならないかという基準を作ったことになるのです。一つは、しっかりとした理念でした。一生かけての、目標ともなるべく理想を確立することでした。確かに漠然とした理想論はありましたが、ここでは、夢物語ではなく、地に着いたしっかりとしたものにしようと決意は固かったように思うのです。
次に、自分の信念を貫くために、渉外力を身に着けようと思ったことです。とりもなおさず、人間関係の極意をマスターすることでした。人を納得させることでした。自分の信念を他の人にも共有してもらう術という事でした。このことに関しては、今回の旅でのあらゆる人との接点は役に立ちました。そして、最後に、どのように経済力を身に着けていくかという事でした。人を動かし、お金を作っていくことができなければ、大きな事業はできないと思ったのです。つまり、理念と渉外力と経済力を兼ね備えた実力を持とうと決意したことになるのでした。
結果、二十歳まで、人生の準備を周到に重ねていったことになるのです。人生の基礎を築こうという実践は、成人してからの自分の力強い生き方を支えたのでした。その実験所が栃木県の宇都宮でした。ここでは一年半余りの期間、サプリメントの販売という営業を行ったのです。デールカーネギーの人を動かすや、多くのセールスの書を読み、実践し続けました。それでも課題は残ったのです。人間関係のトラブルを克服することができなかったのでした。エデンの東という映画そっくりに、人を愛することができないという課題が明確に示されたのでした。この課題を解決するため、もう一度北海道に登ったのは、二一歳のことでした。