2014年2月16日(八段語録2007)

人体の神秘と人生(2)

 授業で解剖学を聞きながら、感じていることは、顔に真黒な眉毛がついているのを見るたびに、「なぜ、こんなに真黒なものがあるのだろうか」とふと考えてしまいます。解剖学的な議論では何もないのですが、私の疑問です。これが無ければ、顔がどれほどすっきりして良いかとも思うのです。それなのに、なぜこれを付けておいたのでしょうか。さて、人間の顔に毛が生えていれば眉毛は必要でしょうか。獣は四足になってはい回るので、眉毛は必要ないようです。それでも、形態は少し残っています。
 しかし、人は立って行き来するので、眉毛は必要になってくるのです。眉毛が生えている所は、大抵わずかに高くなっています。眉毛の部位がわずかに高くなっていて、山脈をうまく形成しています。それこそ、良い場所の中でも、一番良い場所です。もし、人が這って行き来するとするならば、眉毛は必要でないはずです。ほんとに、よくぞくっついていると言わんばかりです。なぜそうなっているかというならば、顔に雨が当たって、水が流れる時、両側の目に入らない側面に流すためです。眉毛が片側方向に向かっていて、横の方に流れるようになっているのです。
 ところで、眉毛が無ければどうなっているでしょうか。汗や雨水がすべて、目に入ってしまいます。汗や雨水が目に入っては、痛くて仕方がありません。我慢できないということです。目をよく見ると、眉毛だけでは頼りないので、さらに瞼でまるく囲んでいます。瞼で囲んで保護するようにしてあるのです。涙はへこんだところを通って、横に流れ落ちていくようになっているのです。
 鼻がもし逆さまだったとするならば、どうでしょうか。夕立でも降れば、大変な事になってしまいます。鼻はなぜ下に向かって広がっているでしょうか。もしそのようになっていなければ、口は大変な事になるでしょう。雨水のようなものが口に流れ込みようになれば、口はどうなるでしょうか。さらに、唇を見ると、とても不思議です。唇は歯とよく調和しています。歯と唇は、数ミリしか離れていません。これが危険だとするならば、これ以上危険な事はありません。しかし、不安を感じますか。食べる時は、ただ食べることに忙しく、不安を感じたりすることは無いのです。舌もどれほど不思議でしょうか。口の中を引っ張ったり押したりしながら、押し切るような歯の間を出入りしながらも、衝突することもなく、どれほど上手にリズムを合わせて、よく調和しています。解剖学の授業を聞きながら、こんなことを頭に浮かべています。ちょっと授業とはかけ離れていますが、それでも大切な事です。