2014年2月8日(八段語録1999)
指導者に告ぐ
今回で最後の指導者論です。振り返ると、何を書いてきたかという事になるのですが、私の経験を踏まえ、ありったけの情報を提供してきたつもりなのです。そして、最後に書くことは、というならば、指導者は海のような雰囲気になって欲しいのです。最後は海をテーマにしてしまいました。
海は信じられないほど様々な雰囲気に包まれています。かつて、加山雄三の若大将シリーズを見に行ったものです。静かな海は、美しい女性のように描写されていました。そして、浜辺の砂は、眩しいばかりの美しさと輝きを秘めて、きらめく絹のようです。しかし、それは、海が与えてくれるすべてではないのです。風が吹くと波は踊りだします。風の強弱に合わせて踊るのです。最近日本のバレリーナの評価が高くなっていますが、どのようなバレリーナや踊り子といえども、波の踊りとは決して比べようはないのです。
バレリーナや踊り子は、小さな限られた舞台で踊るだけですが、波は際限もなく踊るのです。その踊りの舞台は、限りなく広がっていくのです。更に、海では鳥が飛び回ります。飛んできて、また飛び去り、止まったり羽ばたいたりするのです。すべてがさまざまに異なる形をして飛ぶのですが、すべての鳥達は調和のとれた動きをしているようです。カモメがやって来て歌を歌い、遊覧船でも乗り込むならば、いつまででもついて来るのです。時々、このような光景が、巨大な鯨が水の中から飛び上がって来ることによる突然の火山の爆発のような動きによって、劇的に海は変化するのです。水しぶきが輝き、光を反射します。これが信じられないほど美しいのです。それほど多くの変化と様々な動きがあるのです。
さらに海は、腹を立てるときには、「誰でも自分の方向に向かってくるものは飲み込むぞ」といわんばかりに、威厳と力を示します。また、普通の場合、高速艇は海をあたかも、ハイウエーを走るように美しく走ります。しかし、一度海が怒り狂ってしまうと、高速艇は無力なものになってしまいます。このように、海は最も強力であり、誰でも逆らう事はできないように思えるのです。
何故、海の話をするかというならば、指導者は、海のように、圧倒的な魅力を持って欲しいという思いで書いているのです。自然な圧倒的な力の前では、多くの人が謙虚になることを知るようになるのです。だから、海のような指導者を目指せたらと思って表現してみました。そのように、多くの美や信じられないほどの神秘さを持って、指導に入しるならば、多くの道場生の尊敬を一身に受けるのではないかと思うのです。このような話で、今回の「指導者に告ぐ」というテーマはおしまいです。もう書くことが重複してしまいます。今回で2000回のブログのアップになりました。記念すべき日です。更に三千日へ向けて奮闘することになるのです。