2014年2月2日(八段語録1987)

指導者に告ぐ


 極真精神をどのぐらい長く保ち続けていくことができるかが課題になります。そこで、ここで示す、主な点を覚えておいてください。当然道場を愛しましょう。これは、四十数年道場に通い続けてきた私の信念です。そして、私の生活方法をブログなどで研究しながら、真似をするのもヒントになります。もちろん、私以上の事ができると思います。私は、自分なりの方法を編み出しながら、歩んでいます。一つは、道場に通うことを決してやめないという事です。大学でしたら、四年で終わりですが、空手は一生の間、自分と格闘するのです。何をしようとも、道場を失うようなことが無いようにすべきです。
 もし、私が、道場に通うことが無くなっていたとしたら、たとえ人生を全うしたとしても、自分をコントロールする意味では、半減したのではないかと思うのです。極真空手ゆえに、私の人生は非常に整理されており、また経済的です。だから、このような生き方は、いかなる方法よりも優れていたと思っています。私の場合、酒も嗜まないし、タバコも吸いませんから、家族にとっても歓迎されます。このような極真の伝統を継承したという事のメリットは大きいのです。もちろん、宮城県本部の伝統は私から出ています。稽古の原型は、私から出ているのですが、多くの指導者によって改良されているのも事実です。それも歓迎すべきです。
 ところで、道場の伝統は、私が、いかに困難や苦悩を通過しなければならなかったか、理解しなければなりません。この方式と訓練をもってすれば、自分の人生をコントロールすることもできるし、希望する道にも進むことができるのです。もちろん、指導者の皆様も、道場で、多くの障害や困難を乗り越えなければならないのです。当然、失望落胆して、泣きたくなることも何度もあると思います。そして、自分の不甲斐なさも感じるものなのです。そのくらいの努力と心と願いが必要なのです。
 指導者の皆さんは、夢の中でも、すなわち悪夢の中でも、努力は必要です。たとえば、山の中で、クマに出会ったとします。なんと危険で困難が待ち受けているかというのです。絶体絶命の中で、活路を見出すという事になると、自分に対する自信がなければ、越えていくことはできないのです。私たちの人生は、そういった種類のものに似ています。そのような事を考えれば、人生に対しても真剣になりたいものです。私は、稽古も極めて疲れているときに、人生のヒントが与えられて、その瞬間に、新鮮なキュウリのように気分が一新される経験を持っています。
 人生の戦いは長く続きます。しかし、稽古の時のように激しく動き、汗を流した経験を持っていますから、苦悩の期間は、振り返れば一瞬のように思えるのです。そして、戦う事だけを考えるのです。そして、自分なりに、意義深い思い出を持つべきです。熱心な、真剣な心を持つようになるのです。それゆえに、夫婦でも喧嘩したり、怒鳴ったりする暇などないのです。家族に指示を与えなければならない時にも、しっかりと、しかも静かに与えるべきです。そして、一日を本当に感謝しましょう。