2014年1月21日(八段語録1972)

指導者に告ぐ


 極真空手はどんなものかというならば、最初に学ぶのは基本なのです。そして移動に進み、型、そして組手という方向になります。しかし、実際に試合に出場した時、それらの全ては全部忘れてしまうでしょう。そしてできるだけの事をするだけなのです。徐々に内容が身についてくると、後になって、その稽古が生きてくるわけです。それらの基本稽古が身に付き、戦うときに自然にそれらの形が使えるようになるのです。指導者の皆さんは最終的に物事をどのようにして身に着けますか。私は、実践を通じてマスターしてきたのです。 
 特に極真空手は、実践を通して学ぶというところに、魅力があるのです。指導者の皆さんは、学校の教室での教えのような事をしては言えないという事なのです。教えるという事は実践であって、練習ではなく、むしろ戦わなければならない事なのです。そして、戦っているときに学んだすべての事をすべてつなぎ合わせるのです。そのようにすべきなのです。私がブログを書いているときは、今まで、四十年間の集大成であるという意気込みで書いているのです。それだけに、試合そのものなのです。真剣ですから、思わぬ事も書いてしまいます。それは戦いだからなのです。
 ところで、試合に勝利する人は、繰り返し、繰り返し挑戦して、たとえ一度の戦が極限に至ったとしても戦う人です。結局そのように全力投入することで、その人が試合で一番になるのです。体の大きな人が勝つわけではなく、最も大きな決意を持ち、最も激しく訓練をする人が勝つのです。このように書いていることをすべて理解しなさいというわけではないのです。もちろん期待していません。今全部わかったと思っているかもしれませんが、実際は指導してみなければ、分からないことです。
 実際に指導してみると、最初に何をすべきかさえも思い出せないかもしれません。師範から指導を受けなければならないことも多いのです。また、指導を受けたことで実践したことがなかったとしても、頭の中に種を植えるようなものです。何か月か先に、指導者の皆さんは理解し、「本当に深い意味があって、実践すべきだ。」と自分に言い聞かせるようになるのです。
 私も、大山総裁から言われたことを、今にして分かったという事もあるのです。また、指導者は、自分自身の「運気」というものも考えなければならないのです。海での潮の流れはいつも変わります。つまり、月を見ると色々と形があります。それが三日月とか、半月とか、満月等のどれを示すかによって、潮の流れも変わるのです。一か月のうちどの日も同じではないのです。時々潮の流れはより強く流れます。満月の満潮の時、水はより速くなります。何を言いたいのかというならば、自分の一番「運気」がいい時を察して、最大限の能力を発揮するようにすべきだという事です。