2014年1月15日(八段語録1960)

指導者に告ぐ


 極真空手は稽古そのものなのです。そのことを真剣に考えなければならないのです。私は、他の誰よりも真剣なのですが、そういう真剣さは本当に重要なのです。もし私が真剣さや尊敬の念を失えば、稽古は成り立っていきません。極真空手は直接打撃をモット―としているだけに、技術の中でも最高の技術を必要とします。極真空手を学んだ指導者の皆さんは、この学んだ技術が、どのような環境で活動しても、皆さんと共にあるようになるのです。将来、指導者の皆さんが何をしようとも、どのような問題を抱えることになろうとも、適用することができるのです。
 少々抽象過ぎるかもしれませんが、極真空手の中で他のどういう分野にも適用することのできる思考方法を学んでいるという事なのです。実際私の経験上どのような種類の活動にも適用できるのです。指導者の皆さんも経験したかもしれませんが、色々な環境で速やかな決断が要求されます。数分の猶予も与えられません。時にはその瞬間に決断しなければならないのです。極端な事だと、一人の人間の生命がかかっているかもしれません。間違った動きをすれば、何かとても危険な事が起こるかもしれません。浮ついた考えをしていたならば、とんでもないことが起こる場合があります。いついかなる時も、何か緊急事態の起こる可能性は大いにあるのです。指導者の皆さんは、生活舞台においてそのような考えをしておかなければならないのです。実際、一瞬一瞬が真剣なのです。
 さらに、一致団結についても、素晴らしい教訓を学ばなければならないのです。指導者が一つになり、道場生が一体化するのです。稽古で、調和を保って修練しなければ、怪我をしてしまう事になってしまうし、道場生の連帯も失われて、脱落してしまう場合もあるのです。指導の中で、道場生を引っ張って行って、指導者は十の事あるいはそれ以上の事を考えなければならないのです。「この道場生にはこうだ、次はこうだ」と先の事を素早く思いを巡らせなければなりません。指導者の皆さんの心の中ではすべての事が同時に起こってきます。次に何をすべきかをはっきり知らなければならないのです。
 結論として、すべての事に絶えず思いを巡らし、今やっていることに意識を集中しなければならないのです。指導者の皆さんの頭の中には、何をやるにしても、なぜそうするのか。いつも知っている必要があるし、次に何をすべきかについても絶えず考えていかなければならないのです。そして、これらの事が全部同時になされなければなりません。私もこれらの極真空手の技術を、長い間、真剣に学んできたのですから、指導者の皆さんにも習得してもらいたいと思っています。重要な事です。一瞬たりとも疎かにしてはいけないのです。そうしないと、指導者の皆さんの人生の中で機会を逃すことになるかもしれないのです。