2014年1月14日(八段語録1959)

指導者に告ぐ


 極真会館宮城県本部に新たに加わった道場生も白帯を付けて、鏡開きの稽古に参加していました。入門まもない道場生にとって初めてのシーズンという事になるのです。道場に来れば、自動的に成長すると思っている人もいると思いますが、私はそうは思いません。もし、道場生の勝手にしていたならば、実際は良き方向に物事は運びません。指導者に皆さんが指示を与え、一つ一つの細かい点を説明しなければ、何の成長も無いのです。更に心に付き添う事も重要になってくるのです。
 今日はそのような事について考えてみました。極真空手を学ぶにあたって、もっとも重要なのは現場の指導者です。各道場の指導者が重要なのです。私は全体を見渡しながら指揮を執るだけであって、道場生ひとり一人を指導するには、難があります。道場生との接点は、現場であり、最前線であるという事です。道場生が極真空手を始めて、どのように成長していくかについては、誰もわかりません。ある方向に向かって成長していったと思うと、急に向きを変えて、別の方向にいってしまいます。そのような、道場生と向き合って指導するのは、いつも出会っている現場の指導者でなくてはならないのです。
 私の場合、世界に目を向けて、実際に指導にも行きます。また国内も巡回します。道場生が色々と課題を持っているときに、適切なカウンセリングを行う事ができるのは現場の指導者なのです。私がそれをやっているとしたならば、事情を初めから理解しなければならないし、時間がかかり、道場生の心の糸も切れかねません。またもつれてもしまいます。私の巡回活動が多いので、ちょっと触れただけでも、心は逃げてしまいます。
 私は、十数年の間そのことを考え、「百パーセント、道場生と親身になるにはどうしたらよいか」という事を自問し続けてきました。その結果、小回りがきく、現場の指導者に成長してもらう事に他ならないという結論なのです。その能力は十分に試されました。あらゆる緊急時にも対応できるし、ご父兄との関係も容易に通過し、動き回りながら道場生を成長させることができるようになっているのです。絡んでいる課題も容易に扱う訓練もできるようになっているのです。
 以前は、カウンセリングが現場で出来ず、道場生が立ち止まるようになって、前に進まなくなっていました。せっかく道場で習おうとしている道場生を失ってしまっていたのです。そのような意味での損失を防げないかと思っていたので、スタッフが一丸となって、現場の指導者の能力アップに力を注いできたのです。私の課題は、道場生がしっかり極真空手を学んでもらって、途中下車することなく、生涯の道を全うさせてやることでした。
 結論として、極真空手の指導や運営をする前に、スタッフがそのような事に力を注いで、流れを作ってきたことを考慮しなければならないのです。また、どのような道場生にしたいのかを明確にしながら考えてきたのです。このように道場生を心配してあげられる道場へと変身してきたのです。