2014年1月14日(八段語録1958)

指導者に告ぐ


 日本では、武道精神が残されています。その代表が極真空手という事です。極真空手は、莫大な可能性を秘めています。この精神が世界に影響を与えているという事は、実践空手をしている人ならだれでも知っていることです。皆さんは全世界にどれほど影響を与えているかという事を心に描くことができるでしょうか。極真空手の影響力と価値の大きさと重さを考えれば、それは想像を絶する驚異的なものであることが分かります。このような内容を理解している日本人は、意外と少ないのです。このような事実に関して、今の日本人は大して心を配りません。彼らはそれがなんだと言わんばかりで、頭を使おうともしないし、未来に対してどのような意味を持っているかという事も考えないのです。当然と言えば当然なのですが。
 しかし、極真の指導者には、次の世代、そのまた次の世代もやはり極真の精神を身に着け継承してもらいたいと思うのです。何故、そう願うのかというならば、多くの人のためになるからなのです。普通の親は生活をしていく中で、「私はこういう厳しい生活をしてきたけれど、子供達には敢えてこのような生活はさせたくない」と考えるのです。ところで、極真空手で武道精神を味わった指導者達は、極真空手を推進し、厳しい稽古を受け入れ、道場生の面倒を見ます。そして親たちの成長速度と同じ速度でもって、彼らを引っ張っていこうとするのです。もちろん、厳しい稽古もするように指導するわけです。
 極真空手は、極めて重要な武道ですが、将来はなおさらそうなっていくでしょう。それで、例え私が他に何かをやることを見つけて、道場を放り投げても、誰かが確固たる基盤を作る伝統と精神を受け継いでいく事になるのです。この極真空手に携わる人は、このビジョンの実現のために、多くの人々に励まされることだと思うのです。
 さて、極真空手の伝統を守り推し進めていくためには、稽古時間をどのように維持するかであります。私は普通の人より早く起きて、できるだけ長く道場で稽古をしたものです。他の人が二時間しか稽古をしなくとも、六時間から八時間を稽古に当てました。極真の経験不足を補うためにも、ある程度時間を取らなければならないのです。次は、技術です。優れた稽古方法、より高い技術を身につけなければなりません。研究、調査、実験を繰り返さなければならないのです。
 また、新しい稽古方法の開拓もしなければならないことになるでしょう。稽古に関していくつかの点で真剣に研究しなければなりません。そして実行に移さなければならないのです。私達指導者はこれらの事を真剣に考慮し、各分野の稽古について、徹底的に計画を練らなければならないのです。このような素晴らし武道に触れた、指導者の皆さんは、幸せ者であると思うのです。だから、色々な事があっても、押忍の精神で乗り越えてもらいたいのです。鏡開きでの皆さんの行動は立派なものでした。更に自己研磨に努めてください。