2014年1月13日(八段語録1957)

指導者に告ぐ


 もう既に、私が極真会館で空手を指導しているという事は、地域社会では誰も疑いなく知っているのです。そして極真空手を始めた結果、私がどういう種類の人間であるかという事が、地域の人たちに理解されてきているのです。更に、女性の指導者までもが、男性の指導者同様、ある時は男性の指導者達以上に道場生の面倒を見ています。確かに地域住民はそのことを噂しています。そのニュースが広がり、行政の人達にも聞こえ始めています。私が1991年に故郷に帰ることによって、地域にどのような変化が生じたかを彼らは知っているのです。
 当時、私の活動時間は、大学にも通っていましたので、朝五時には起床し、学問と空手道の二本立てで休む時間を惜しんでいました。当時、道場生はわずかばかりでしたが、毎年道場生の数が増え続けていったのです。このような活動をしてきたので、驚異の目で見続けられたのでした。もちろん、このように道場生が増えたとしても、維持費などで消えて、収益が出るというほどではなかったのです。もちろん毎年、道場生が増え続けてきましたから、味わってきた損失を、もはや被らなくても済むような状態まで引きあがってきました。
 ところで、そのような状況になっても、私には極真のビジョンがあり、それが私の努力を導いているのだという事を知って貰いたいのです。散財の状態をいつまでも続けておくつもりはなかったので、目の前の結果を信じるのではなく、その過程を信じてきたのです。極真空手は、基盤確立の目標に向かって進んでいます。その目標を信じているのです。私は、ついに基盤が確立するまで、何年も損失を続けてきたのです。普通の企業経営ですと、一二年で損失を出したら止めてしまいます。私は決して途中でやめませんでした。それが私の秘訣なのです。それでも、私を支えてきた師範たちはひやひやしていたと思います。
 このプロセスがある点まで達すれば、基盤ができるという確固たる確証を持って歩んだのでした。そうすることによって、一道場で数百人規模の道場生を育てることができるようになったのです。その日が来たのです。極真空手道場に関する限り、東北一の基盤を作るという絶対的な確信を、内部も外部も認知したのです。そして、極真空手は伝統を重んじる団体だという事を知れ渡るようになったのです。私達の伝統は、いつでも、まず確固たる基盤を作るという事なのです。確固たる基盤なくしては、何に関しても成功することは無いのです。私はこの事を痛切に感じているのです。多くの人はそれが分かりつつあるのですが、私の執念が、あまりにも強かったのだと、今では思い出話にしているのです。