2011年7月29日(八段語録1392)

私と全国組織(62)ファイナルサマーキャンプ


 イランのアゾフ師範の指導で午前中の空手指導が行われました。投げ技あり、間接技あり、寝技あり、相手との呼吸で技を出し合います。昔のビデオをプレゼントされていましたので、日本とイランで活躍していた様子を見せて頂いていました。熟練された武道内容を彷彿させられます。何度もイランでの大会に来訪してほしいと懇願していました。6年間もつけている六段の位を上げてほしいという要請もしていました。アラン副会長は、コミュニケーションの少なさを理由にあまり乗り気ではないようでした。
 ファイナルのレッスンに入りました。五〇人組手を行うというのです。それも、全員総当たりなのです。全員での今回のテーマに突入です。アラン師範肝いりの指導が始まりました。体育館は酸欠状況に陥ってしまいますので、窓という窓を開閉して、落伍者が出ないように私も気を配ります。当然、怪我人や女性には配慮するようにとメッセージが流れます。一回の組手の稽古が、全て合わせて二分位ですので、合計二時間にも及ぶのです。
 最初の一〇人組手で、どの道場生の空手着も汗でずぶ濡れになっています。人数が進むにつれて、年を取っている人、怪我をしている人、体調が悪い人が外れていくのです。それでも、果敢に取り組んでいる道場生の表情は真剣です。もちろんこのグループですので、無茶な組手は極力避けているようですが、選手同士の組手は、さすがに火ぶたが切って落とされたように激しい戦いが繰り広げられます。しかし、それなりに楽しいのです。
 今年の私は、見学のスタンスを取っています。組手は好きなのですが、年齢が高いというのと、稽古不足の理由からです。空手の醍醐味は、究極的には組手である思っていますので、体はうずきますが、我慢です。最終の五〇人目が終わるころには、疲労のピークのようです。それでも、最後まで戦った道場生は、新たな感動を覚えているのです。
 昨日の審査会と、今回の五〇人組手を経験した道場生には、このグループの修練に誇りを持っているようでした。他のグループとの差別化が稽古で明らかです。ベルギーでのサマーキャンプも回を重ねるごとに、工夫され、改善されているのです。そして明らかに、他のグループからのジョイントがなされています。新しいメンバーが増えているのです。支部長クラスの勧誘によって、一挙に、道場丸ごと手塚グループに来ているようでした。
 稽古が終わって、夕方には、さよならパーティでサマーキャンプを締めくくりました。外でのバーベキュウーです。アラン師範を真似るアトラクションあり、お互いのグループで今回のキャンプを振り返っているようです。世界の人たちがオリンピックのように集まり、心を交わしているようです。智子さんも家族で駆けつけてくれました。それと、二人目の子供を身ごもったとの嬉しい知らせもしてくれたのです。この時間になると、近くの道場の責任者も駆けつけてくれています。これも、アラン師範の人間性の現れであると、改めて、人脈の広さと信頼の強さを感じさせられました。
 外は晴れているのですが、肌寒さが気にかかり、会長と私たちは、食事をすると間もなく、部屋に戻りましたが、集まった人たちは、終了しそうにはないのです。先回と同じく夜遅くまで飲み明かすのです。これが、短い夏のヨーロッパの最大の楽しみのようです。