2013年12月16日(八段語録1928)

指導者に告ぐ(33)


 問題は、極真空手を私たちはどう理解するかにあります。どうして「空手」の上に「極真」という言葉を付け加えるかという事です。取って付け加えただけではないのです。「極真空手」は一つの信念に基づいてつくられ、一つの信念に従って導かれてきたのです。空手道に関しての革新的な武道運動なのです。その一つの信念とは、一つの実践哲学なのです。つまり、私達の極真空手に関しての関心は、直接打撃なのです。それが、極真空手の本質なのです。将来極真空手は、その精神を発展させる人たち、すなわち伝統の継承に本当に責任を持つことができる人達のためにあるのです。
 道場で稽古をして、しっかり伝統を身に着けてくる道場生に関して、基本ルートというものを計画しているのです。道場で稽古をして、道場生は有段者を目指し、必死に稽古をし、その後、指導者の補佐として、その稽古の基本的な指導方法を学び、指導者としてひとり立ちするという、教育のための基礎的なプログラムなのです。そのようなしっかりとした訓練を受けたのち、道場の指導者になるのです。各道場がそのような指導者を持たなければならないのです。
ところが、これまでは、どんなに明瞭かつ創造的な指示が与えられたとしても、その指示は十分に消化されずに受け入れられなかったのです。指導者から各メンバーに至る段階において、メッセージの内容が収縮してしまい、道場生の所に至っては、もはや、意味のないものになっているのです。しかし、道場生から指導者へ至る道を明確にし、指導者を目指す人にとって、理解してそれに応じることができるようにしなければならないのです。そして、指導者を目指す道場生が、新しい指示を受けたら、それに応じて行動に移すことができる特別な環境を整備していかなければならないという結論に至るのです。
厳密なシステムというよりは、自ら自覚し責任をもち、自らの方向性を出していく事ができる、強力な道場生に育成すべきなのです。そこで、唯一必要な事は、師範と各指導者が良き連絡関係を築くことです。本部の仕事は決して小さなものでないのです。本部が必要とするものは、各道場の指導者から情報を集め、全体像を把握しておくことなのです。そうしておけば、本部は各教室の指導者に、運営について一般的な指示を出すことができます。そして、たえず、本部は各教室を巡回して、そこでどういう事が行われているか、長所は何か、何か完全の余地があるかについて調べるのです。そして師範と相談しながら、直接情報を報告するのです。これは、私とつながった内容になっているのであり、また私達の伝統ならびに管理行政についても行き届いていくという事になるのです。