2013年12月12日(八段語録1924)

指導者に告ぐ(29)


 道場での訓練の目的で大事なことは、どうして高い教育力を身に着けなければいけないかという事です。技術だけ指導すれば良いという話は、昔話という事です。そして、教室を訪ねてきた人には、指導者の基準を示し、感銘を与えることができなければならないのです。当然、自分の地域を研究しなければなりません。「どのようにしたら、この地域をもっと活性化できるだろうか」と自問するのです。そして各地域の準備をしなければならないのです。もっとも最短コースは、自分の地域で、自ら地域の人に、多くを学ぶ必要があるのです。
 私の言っていることが分かるでしょうか。指導者の皆さんが、この極真空手の分野で責任を持ちたいならば、さらに、定期的に他の教室に出かけていくのも必要です。そのようなタイプの指導者は少ないようですが、努力すべきです。そして、稽古をしているときは、あらゆる感性が浮かびますが、すべて忘れるくらい投入するのです。稽古の苦しさの中から、引き上げられるほど大きな興奮が押し寄せてくるものです。それは、稽古をしてみて実感するはずです。現代人は、長期的なストレスから離れることなしに、緊張をほぐす方法は無いかと探しています。何か偉大な事とか、刺激的な事なら緊張をほぐせるのです。それが、稽古であると断言するのです。
 ところで、指導者の皆さんは、稽古した内容を簡単に忘れてはならないのです。継続・続行することで、鮮明なる記憶に残すのです。それも、興奮するほどの刺激を受ければ、完璧に記憶に残ります。当然、道場生一人一人に話をかけ、自分がこのように指導する理由を道場生に説明します。そしてそのアドバイスが的確であるかを確認するのです。多くの道場生から共鳴を受け始めたら、しめたものです。もう一度いうのですが、道場生に感動を与えるのです。それから地域で父母ともども、団結を促すのです。
 そうすることによって、父母達とも友達になり、一つにまとめ、それから彼らを道場生のように汗を流す段階に入ったら、大きな収穫を得るのです。もう既に、友達ではなく、先生という事なのです。そのような事になると、指導者の稽古や理念を誇り、共に分かち合うようになります。そして、あらゆる援助も、いとわないという事になるのです。稽古に参加することによって、指導者の皆さんの人生を彼らと共有し、彼らも稽古で自分の目的達成になると思えるようになるのです。指導者は自分の経験を持っていると同時に、その地域の父兄達を指導することによって新たな経験を持つようになるのです。色々な地域から得た経験・知識を全部合わせて、皆さんは、指導の教科書を作ることができるのです。教科書を作り、たえず改訂します。こういう努力は多くの人を助けることになるのです。