2013年12月6日(八段語録1918)

指導者に告ぐ(23)


 私は、極真会館の伝統を残すために、少なくても三人の弟子、そこから広がって、十二人の弟子が巣立っていかなければならないと思っています。仙台市内を中心とする基盤はそのようにすべきであると思うのです。一人一人が知名度の高い地盤を確立した人になれば、教室を発足させて、その責任者になるべきなのです。指導者は、教室を運営できるようにならなければならないのです。その教室は急いで作る必要があるのです。つまり、教室の指導者になって、その地域の将来のためになる何か価値ある所として、教室の運営をしていかなければならないのです。
 当然、指導者は二つの問題を解決しなければならないのです。つまり、人材と経済基盤です。どのようにして人材を育てることができるのか。これが一番の大きな問題なのです。人材を育てるという問題を解決できるとしたならば、何でも始めることができます。どうやって良い道場生を育て、ちゃんとした経済基盤を確立することを目指すのです。もしこれらの問題を解決することができるとしたならば、後は何でもありません。もちろん、その地の主な指導者達と良い関係を結ばなければならないのです。その為に、自分を訓練しなければなりません。夜も昼も一生懸命働くとするならば、素晴らしいことが必ず起こるのです。
 私が、二十二年前、故郷に帰ってきた時には、どのようにしたら基盤ができるのか自問したものです。そしてかなりの時間を道場で稽古に専念して過ごしました。将来に対するそういうビジョンを持っているからでした。指導者の皆さんは、私が歩んだビジョンを受け継ぐことができるでしょうか。今では、仙台の主要な所に基盤を築きつつあります。問題はどうやって運営するかであります。そのような意味では、若い指導者を訓練して、急速に成長させて指導性を発揮することです。そして、十か所の教室から最終的に百か所の教室を作る必要があります。
 私は、このような大きなビジョンを抱いています。それは、青少年の教育は急務だからです。どうです。すべての地域に教室を持つようになれば、それは素晴らしいことです。そこで地域に根を下ろして、成熟した指導者になるのです。私がこのような状態になるまでに二十二年かかりましたが、それを七年で到達するようであれば、天変地異が起こります。もちろん、このような事を発すれば、「それは難しいことで、困難だ」というかもしれませんが、しかし、いったん基盤ができるならば次の段階はやさしいのです。その能力と才覚があれば、何の問題もないのです。私としては、とっても真剣な思いで書いているのです。そしてそれは必ず実現するのです。
 極真会館のメンバーとしての、公式認定は、黒帯です。私は、二十八歳で有段者ですから、二十歳から七年以上もかかったことになります。今は、宮城県本部では親切に教育しているのですが、私の時は、荒々しい先輩に揉まれながら、ただ初めは、こづき回されただけに過ぎないのです。そのようにして、昔は訓練されたのです。私も極真会館初期のように訓練しようとするならば、最後まで残れる人はいなくなってしまうでしょう。だから、私は、やさしく教えているほうなのです。実際、色帯に挑戦して出発している人たちは、楽な道だと思わずに、取り組んでほしいのです。いずれにせよ。指導者全員が、訓練を通過しなければならないことは事実なのです。孤独に陥ることもあると思うのですが、それが伝統です。