2013年12月4日(八段語録1916)

指導者に告ぐ(21)


 誰しも、肉体の為に健全な関係を精神と持つ必要があります。肉体は心や魂と同様に、バランスが取れていなければならないし、また十分なエネルギーも供給されていなければならないのです。胃が痛ければ、それは胃袋と他の機能との間に十分な働きや、エネルギーの交流が成されなくなる証拠になります。私は一日中動いた後に、家に帰る途中、運動を欠かさないのです。今でも、極真空手の指導者として存在しているという気持ちが強いのです。それが、若い世代の人と、例え組手をしても疲れない理由の一つになっているのです。
 健全な肉体を維持するためには、稽古をしっかり、こなさなければならないのです。そして健全な精神の為にもやはり稽古をしなければならないという結論です。精神の為ということは、正しい生活をするという事なのです。私たちは、武道という入口から、陸と海を抱擁し、あらゆる文化・芸術をも抱擁しなければならないのです。これらの領域は、人間としてカバーする必要がありますし、当然武道家としても必須なのです。そうすることによって、これらのものを中心として、新しい人生観や世界観が、必ず広がっていくと断言するのです。そして、そのことが、中心に武道を据えて、極真会館をしっかりと地域社会に建設することなのです。
 健全な肉体は、稽古の実践を通じて達成され、健全な精神は、武道精神の実践を通じて達成されるのです。もちろん、勉強をしながら、文学、音楽、芸術等、こういう分野を私達は自分で開拓しなければならないのです。私もこれらの領域に挑戦し勉強してきたのだから、指導者の皆さんは当然そうすべきなのです。私は、極真会館の稽古を40年余り続けてきたわけなのですが、このような極真空手を、私が、続けていくことを誰も夢にも思わなかったのです。私が極真の稽古を何故はじめたのか、そして続けてきたのか、その理由は、稽古をやった人でなければ理解できないのです。世の中の人々には到底分からないことです。
 汗を流して稽古をする、私の動機が分からないのだから、理解に苦しむのです。それだから、一緒に稽古をするように、多くの人を道場に通ってもらうべきなのです。そのようにして、新しい極真の時代を創造していくべきなのです。このような精神を受け継ぐには、極真会館に入門しなければ理解できないし、精神を受け継ぐことすらできないのです。本当に極真の伝統を継承するには、入門して稽古をしなければならないという事なのです。