2013年11月23日(八段語録1905)

指導者に告ぐ(12)


本部の池袋時代の事を振り返ると、全日本で勝利するために、勝つために、一日三回の稽古に出席し、地下のトレーニング場ではサンドバックを叩き、夕暮れがやってきた時でも、それが朝で太陽が昇りかかっているのか、それとも夕方で太陽が沈みかけているのかも分からないほど、稽古に打ち込んだ覚えがあるのです。その当時の稽古は半端ではなかったのです。そして当時は、私のように、空手に身を捧げている人が多かったのです。そのような過去の極真の先輩が実践したことを思い出します。この時点で、指導者の皆さんや、これから選ばれる人がいるとしたならば、そのような意味では、ボランティアから始めるつもりで取り組むべきです。つまり、生涯の極真空手道としての歩みです。これからの新しい責任を引きついて、立ち続けてください。指導者は極めて順応性に長けていなければならないし、速やかな決断ができなければならないのです。特に、教室を任されたならば、ことさらなのです。稽古はいつも危険が伴う事も心に留めておく必要があります。そして、稽古を乗り切ることのできる能力が必要なのです。そして、自分が計画する稽古を何とかやり抜いていくことのできる体力を持っていなければならないのです。良い指導者を道場生は必要としています。道場生の教育のためには、男女の区別はいらない時代に入ってきました。そして落ち着いてしまって形式的指導はいらないのです。たえず動き回り、今までの二倍以上能力を駆使して動けば、素晴らしい基盤が出来上がります。しかし、ある意味で、過去の指導者の失敗を、公にすることは、私にとって、どうなのかという事も考えます。別に気が違っているわけでもないし、あら捜しをしようとしているのでもないのです。ある意味で、過去を清算し、新しく出発する唯一の方法だから良いと思っているのです。私にとっても自分のやってきたことを隠すことはできません。最終的には、かつて私の弟子であったのですから、助けてあげたいのですが、何も持たないで行くことはできないのです。だから、私がまずやるべきことは、指導者の皆さんに私たちの正しい版図として堅固な基盤を築いて、その後、共に歩むことを願うしかないと思っているのです。
 私の心配していることは、指導者自身の信用なのです。内部から信頼されなければ、崩れてしまいます。そのような意味で、何かを達成しなければならないのです。将来、指導者が安心して暮らせるようになる基盤を作りたいと思うのです。だから、このような事を表現して努力してほしいのだというメッセージを送るのだと思うのです。これからの新しい指導者達が立派にやれば、急速に発展するようになります。これから教室を発展させようとする面では、はるかに皆さんのほうがもっとやる気があるはずです。地域の人たちと融合しながら一生懸命稽古をし、献身的に生きることができるように活動したいものです。