2013年11月18日(八段語録1900)

指導者に告ぐ(7)


 成功の基盤を作ることは、たやすいことではないのです。道場生が大会で優勝することは、今は当たり前のようになっていますが、二十年近く前のこの道場では至難の業でした。わが息子も参加したりしましたが、一回戦を勝ち抜くことができるかどうかでした。もちろん、その頃の極真会館宮城県本部は一般部を中心としていましたから、全国レベルの選手を育成していましたが、それは少年部にはあてはまりませんでした。
 一般部、女子部と基盤を形成していましたが、私の指導にも関わらず、右や左に「ブレ」始めたのです。これぞと思う選手が、道場生だった婦人の誘惑で、一生を棒に振るような事が起こりました。大会の優勝者が指導者にならない事や、あるいは反旗を翻す選手もいました。オーナーからの否定にも合いました。過ぎてみれば大変な道のりを超えてきたものだと今更ながら思うのです。
 それでも、太陽が昇る前にチラシ配りに出かけて基盤形成に必死だったのです。どの大会でも今は、優勝者が生まれるという事は、ありがたいことなのです。私は、今まで毎日真剣な気持ちで歩んだのです。そして青少年教育はどうあらなければならないかという道を、切り開いてきたのです。極真会館といえば、ほとんど一般部が中心でした。出来上がった大人が実践するものであるという認識だったのです。それを青少年教育の在り方をどうすべきかを、真剣に検討したのです。ブログでも何度も書いては実践する連続でした。
 手塚グループとして分岐点に立った時は、大友師範が率先して壮年部の説得に当たってくれたのです。その説得で回りの人たちは、間違いなく感銘を受けて、その後、奇跡的な事が起こるようになったのです。とにかく、多くの人たちがやってきました。そして、幹部が青少年教育の専門的な技術を身に着けたのでした。それは、あらゆる道場をひそかに調査し、何かを見つけ出そうとしたのです。いつしか私の方法に興味を持っているたくさんの人々が、間違いなくやって来て、私のいう事に耳を傾け始めたのでした。
 私は約十時間の講義内容を持つに至っているのです。少なくても十時間講義ができます。その内容のエキスは、既にブログで発表しているのです。それを研究すれば、間違いなく、新たなる基盤ができると確信するのです。確かに専門用語を並べているので、理解に苦しむことがあるかもしれませんが、空手道を実践するならば、容易に分かち合えるのです。今まで、伝統空手が子供達に対するように教育もやりましたが、私はそれよりも数段階上に行きたいと決意したのです。そして、実践できるものは何でも、更に道場の稽古に役立つものは何でも、私はやってみました。やらなかったもの、やろうとしなかったものは何もないと私は確信するのです。
 当然、最初に道場を始めたころには、何の成果もできないという事もありました。その中で私は、指導に苦しみ、過去の実践スタイルを検討するに至ったのです。最初は簡単でなかったのですが、いったん要領を見出すと、次から次へと子供たちが優勝し始めたのです。さらにいつしか女性が、一人で稽古をつけるようになってきました。これは、極真の歴史上画期的な事なのです。私は男性指導者に交じって女性が指導をする時代に突入したことに感動さえ覚えるのです。本当に待ち望んでいたことなのです。かつては、その女性が男性指導者をダメにした歴史を持っているだけに、感銘深いものがあります。それだけに、新しい極真の歴史を刻んでいきたいのです。