2013年11月4日(八段語録1886)

空手の動き


 空手道の基本、移動、型、組手などの動きが、どうして強さを発揮するか不思議に思うことでしょう。「どうしてこのような動きをするだろう。」と最初はびっくりもします。これは、今まで空手道として、自らを鍛錬する動きになっているのです。極真空手で、大山総裁が始めて以来、何十年もの間習慣になっているのです。何故このような動きをするのかということを、私なりに説明したいと思います。
 第一に、それは極めて現実的な行為なのです。皆さんが四肢を用いて動くいということは、皆さんが、心身を一つとして、円運動または循環運動をする準備をしているということです。空手の動きは、主体・対象関係を表しているのです。つまり、基本的動きは、高さを一定に保ち、前後左右に動くのです。それも、緊張せずに自然の姿勢で立ち、一方の足をもう一方の前に出します。
 これは、主体・対象の動きであり、たとえて言うならば、男が主体で、女が対象である関係を象徴するような動きです。技の切れは、体のあらゆる部分が、打撃点の一か所に近づいていきます。つまり、打撃点に体が一体化するのです。だから、両手・両足が頭部を中心に動くとき、上下の的を手中に収めるわけです。それも、両手・両足が互いに協力するのです。
 第二に、空手の動きで、顔面さえも、関係してくるのです。両眼は相手を、鼻は主体・対象に分かれ、そして口は現実を掴もうとするのです。両眼で相手を観察し、体を大きく動かすのです。顔面で捉えたことを、四肢に伝達するのです。つまり、顔と体と関係は、太陽と地球のようであり、顔面を中心に空手の動きはあるようです。
 第三に、子供が母の胎内にいる時に、見れば分かることですが、子供は自分たちの手を握り締め、こぶしを作っているのです。どうしてなのかというならば、不安な相手に対して,拳を握ることは、拳を強くして、不安を払しょくすることを反映しているかのようです。
 このような説明で、空手の動きを全て表すことはできませんが、空手の動きの意味を説明してみました。皆さんが道場で空手道の動きをするときに、私が意味深いやり方で説明したことを念頭に置いて稽古するのも大変重要なことだと思うのです。